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コラム「世界に魅せられて」第3回

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第3回:アフリカの地を踏む

佐藤 慧さん

studioAFTERMODE 所属
フィールドエディター/ジャーナリスト

佐藤 慧


国際協力の現場に携わり、アフリカ、中米などで経験を積む。
世界を変えるのはシステムではなく人間の精神的な成長であると実感し、命の価値や愛を伝える手段としてのジャーナリズムに希望を託して活動を開始。
言葉を探しつつ、風に吹かれ、根無し草のように世界を漂いながら、国家、人種、宗教を超えて、 人と人との心の繋がりを探求し、それを伝えていく。

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◆Twitter @KeiSatoJapan
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 世界のあちこちを放浪するようになった僕は、そのうち旅だけでは物足りないと思うようになりました。一握りのお金と少量の荷物を持って異国を歩く、その日、その日を気ままに過ごし、束の間の出逢いを堪能する。そんな異文化交流も素晴らしいですが、今度は旅人としてではなく、実際にそこに暮らす人々と共に生活を営んでみたいという欲求が芽生えました。同時に、世界の国々に興味を持ち始めた僕は、世界には圧倒的な格差があり、目を覆いたくなるような貧困、暴力が数えきれないほど存在するのだということも知りました。

どうせ住むのなら、それまでに訪れたことのない地、今までの価値観からすると圧倒的に遠い地に住みたい。そう思って頭に浮かんだ地がアフリカでした。アフリカ大陸に対するイメージというのは、当時の僕の貧相な想像力では貧困、飢餓、紛争といったネガティブなものや、マサイ、サバンナの動物たち、砂漠、といったステレオタイプなものばかりでした。さて、住みたいとは思ったものの、一体どうやればアフリカに住めるのでしょう。飛行機で飛んでいって、いきなりその地で生活を始めるという風にはいかないものでしょうか。

色々思い悩んでいたところに、世の中にはNGO職員という職種があることをどこかから知りました。そうか、NGOに所属して派遣されたら、生活も出来るし、実際の現地の様子をこの目で確かめることも出来る。そう思った僕はすぐにインターネットで検索し、とあるNGOを見つけました。初めの半年はアメリカで研修、募金活動などをし、その後南部アフリカ地域の国に派遣されるというプログラムです。世界を知るにあたり、アメリカという大国で過ごす経験というものも絶対に何かの役に立つだろうし、英語力を磨くにも丁度いい。それに、なんといってもその地、カリフォルニアは僕が初めて異国を踏んだ土地でした。即座に渡航を決断し、準備を始めました。

それと同時期に、僕の生涯を決定づけるようなひとりの人物と出逢いました。その方は中野智明さんという、フリーランスのフォトジャーナリストの方で、当時既に25年、アフリカはケニアに在住している方でした。大変幸運なことに、たまたま彼が日本に帰っていた時にお会いすることが出来ました。「いちどアフリカに遊びに来てみたらどうですか?」という彼の言葉に、僕はアメリカのNGO渡航を控えて、ケニア、タンザニアへと旅立ちました。初めて踏むアフリカの大地。どこまでも高い空、白い雲、緑の木々。その時の興奮は今でもはっきりと覚えています。

ケニアの中野さん宅で1日過ごしたあと、僕は単身国境を越えてタンザニアへ向かいました。ケニアの首都、ナイロビで出逢った陽気な青年たちと交わした会話も強く記憶に残っています。EU内を除けば、初めて陸路で国境を越えました。頼りない地図を片手に、キリマンジャロの麓の町へ向かいます。途中で乗ったタクシー運転手には、山奥に連れて行かれ脅迫されたり、麓の町では謎の高熱で倒れたり、怪しい宝石ビジネスを持ちかけられたり、初めてのアフリカは決して良い思い出ばかりではありませんでした。何もしてないのに政府高官を名乗る男に捕まり、パスポートを没収され、「7年間監獄にぶちこむぞ」と言われた時には真っ青になったものでした。

それでも、そんな数々の危機を救ってくれたのは周囲の人々でした。みんな必死に、懸命に、異国から来た若造のために優しくしてくれました。ケニア、タンザニア国境に跨るマサイの村では、素朴な生活を営むマサイの人たちとともに夜を過ごし、ヤギのミルクを飲みながら笑い合いました。遥か遠く、アフリカの地に暮らす人々もまた、僕らと変わらない普通の人間たちなのだな、と当時の僕はまた、世界の淵が広がっていくのを感じました。






マサイ族の村を訪れた。
目の前にいる人間は、同じ地球上で呼吸をする僕らと変わらない人々だった。



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