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コラム「パレスチナ便り」第5回

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第5回:廃品を拾う子どもたち・・・
パレスチナの教育問題(その2)

田中 好子

特定非営利活動法人 パレスチナ子どものキャンペーン
事務局長

田中 好子(たなか よしこ)

特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン事務局長。1986年の同キャンペーン設立に参加。パレスチナやレバノンの難民キャンプで、子どもの教育、保健、人権に関わる支援事業をコーディネート。国連パレスチナ問題NGO国際調整委員会委員、同アジア地域調整委員会委員を歴任。パレスチナのNGOはもとよりイスラエルの平和団体や各国のNGOとの関係が深い。 同キャンペーンは1996年に東京弁護士会人権賞を受ける。
翻訳書「イスラエル兵役拒否者からの手紙」(NHK出版)。

■ パレスチナ子どものキャンペーン ウェブサイト  http://ccp-ngo.jp/

<一家の稼ぎ手になった少年>

ガザのさまざまな場所で、大きな袋を担いで歩き回っている子どもたちに出会うようになりました。袋のなかにはペットボトル、プラスチック・パイプ、ポリタンクなどがぎっしり。瓦礫やゴミ捨て場からプラスチックや鉄くずを集めて、引き取り業者のところに持っていくと、1kgが33円になります。

戦争の被害が大きかった地区で瓦礫の周りを歩き回っていたのが、イスマイールくん(13歳)とアラくん(10歳)の兄弟でした。

廃品を拾う少年たち「朝から夕方までかけて集めているよ。袋がいっぱいになると125円ぐらいになるんだ。二人で一日中集めて250円ぐらい。お金がたまると週末にお父さんが食べるものを買いに行く。お父さんは身体にマヒがあるから働けないし、お母さんも働いていない。僕らは10人兄妹で他は幼い妹たちだ。僕らが一番年上だから一家の稼ぎ手にならなくちゃいけないんだ。学校には二人とも行っていないよ。」

ある回収業者に聞くと、毎日30人ほどの子どもたちが廃品を持ってやってくるそうです。放課後に集めている子がほとんどですが、イスマイールくんたちのように、学校に全く行かずに1日中集め歩いて大量のプラスチックを集めてくる子も10人くらいいるそうです。集められたプラスチックは工場に運ばれ粉砕され、プランターやタンクなどに再生されます。こうした回収業者はガザ中にたくさんあるので、学校に行かずに働いている子どもたちの数もかなり多いでしょう。


<瓦礫の中から鉄筋とブロックをリサイクル?>

瓦礫の中から鉄筋を集めたり、伸ばしたりしている少年たちにも出会いました。ねじ曲がってしまった鉄筋を大型のペンチのようなもので伸ばして再利用するのです。コンクリート破片をハンマーで砕いて、細かくしたものをセメントと混ぜて、日干しブロックを作っている光景もよく目にします。「リサイクル」というにはあまりにもお粗末な鉄筋やブロックですが、こうしたものを使うことしかないからです。

1967年からずっとイスラエルの軍事占領下にあったガザでは、産業がほとんど発展せず、建設資材の多くもイスラエル製品です。しかしイスラエルは封鎖によって建設資材のガザへの輸出を止めていて、現在ガザには4年前の2000分の1しか建設資材は入ってきません。その一方で昨年の戦争によって、1万棟以上の民家と多くの公共施設が破壊されてできた60万トンといわれる瓦礫の山が、重機が入らないため、ほとんど手付かずで放置されているのです。

パレスチナでは教育を重視する伝統があって、これまでは、貧しくてもほとんどの子どもが学校に行っていました。ですから、ガザで学校に行けずに働く子どもたちが増えているという現実は、私たちの予想以上に戦争と封鎖によって人々の生活が追い詰められていることを意味しています。

*3月11日夜に、毎日エデュケーション「グローバルひろば」にて、パレスチナの教育問題と当会の支援について勉強会を開きます。会では、ここでご紹介したレバノンの教科書をお見せします。また、レバノンのほかにガザやヨルダン川西岸の問題、現地で私たちが取り組んでいる教育支援についてご紹介します。ぜひご参加ください。



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