グローバルキャリア塾 連載コラム

行けばわかるさ  (第29回)

第29回:海外生活で人生が変わる!③

扶桑法務事務所

丹 勇貴(たん ゆたか)

大学卒業後、特殊法人職員、翻訳・通訳業などをしながら、週4日はサッカークラブの夜間練習に参加するという“夢追い人生活”を経験。夢追い終了後、商社勤務、レストラン経営等を経て現職。著書「就職は自分の“売り”で勝負しろ」

前回のコラムで、私が子供時代に過ごした英国で感化され、日本に持ち帰った主な“人格形成要因”の一つとして、「オレはキミに構わないから、キミもオレにあまり構うなよ、という個人主義」を挙げましたが、今回はこれに関する英国での体験について書きたいと思います。

ご存知のとおり、英国は日本と同様、島国であり、国土も似たような広さです。だからかどうか分かりませんが、英国人には日本人と同じようにシャイなところがあるように思います。ただ、同じ島国でも、英国人の祖先は狩猟民族、日本人の祖先は農耕民族という違いのせいか、彼らは「自分は自分、人は人」という考え方(つまり、個人主義)がしっかりしているように思います。

私は日本の小学校2年生のときに、現地の公立小学校に放り込まれたのですが、そこで驚いたことは、英語(国語)や算数の授業は、同じクラス内でも、各個人のレベルに合わせて、教科書が違ったりしていたことです。

私は「トイレに行きたい」とようやく言えるレベルの英語力で現地校に放流されたので、当然のことながら、英語の授業は一番出来の悪いグループに入れられました。英語の授業になると、みんながいる教室とは違う小さな部屋に隔離されて、薄いハードカバーの子供用小説を音読させられたことを今でも覚えています。

一方、算数の時間になると、日本の算数の授業は英国よりもやや進んでいたので、出来の良い子供たちが使うドリルを渡され、授業を受けていました。小学校と言えども、算数の授業は出来の良い子と悪い子にそれぞれ異なる教材を与えて、同じ教室内で教えていたのです。こんなこと、日本の公立小学校では考えられないのでは?

ただ、英語や算数が出来ないといった理由での差別的ないじめは、無かったように思います。あまり教育熱心ではない英国人の親御さんは「うちの子は勉強できないんだ。ワッハッハ!」と笑い飛ばしてましたから。

日本では「前にならえ!」とかいった教育を受けていたガキンチョが、このような「自分は自分、人は人」の認識が明確な世界に入れられれば、そりゃ人格が変わっていきますわな。

他にも子供心ながら、「そういうのもありか…」と思うことが結構あったのですが、それらについては、次回までに思い出しておきます。  (つづく)

小学校

▲ 35年前に通っていた英国の小学校。グーグルアースで見ると、今も全然変わっていません!

​(2010年4月15日掲載)

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