グローバルキャリア塾 連載コラム

中学高校ボーディングスクール留学 (第13回)

第13回:教育のパラダイムシフト(2) 必要は学習の母

株式会社E-Concierge
代表取締役

斉藤 克明 (さいとう かつあき)

1981年より一貫して海外の初等・中等教育コンサルティングに携わる。1999年、中学・高校留学ガイドを出版。 2001年、日本人初のアメリカに本部を置くIECA(教育コンサルタント協会)のメンバーとなる。E-Concierge代表取締役、海外留学協議会副理事長。

株式会社E-Concierge

(2015年4月1日掲載)

必要は発明の母と言われます。空を飛ぶことも、大海を渡って未知の国に行くことも、陸路を高速で移動することも、見えない所にいる人との通信をおこなうことなどなど、私たちの文明や社会は必要なことと、夢が相互に作用しあって数多くの発明がなされました。

教育においても、それを学ぶ人たちが「必要」と考えることができれば、おのずと知識や教養は増え、勉強の概念も変えることができるでしょう。どのようにして、生徒たちに必要を認識させるかが問題の焦点となります。

語学という視点から必要を考えてみると、子どもたちにそれが必要な環境を与えてあげれば難なく言葉を話すようになります。人間が文化、文明を作り上げた過程のなかで、人はそのようにプログラムをされているのではないかと思います。自己保存のための言葉だけでなく、その他の学習においても、必要という認識が子どもたちの学習意欲を刺激します。彼らの必要性は、好奇心や未知なるものへの追求とリンクしさえすれば、容易に知識の獲得に結び付くといえないでしょうか。

小学、中学、高校時代の留学は、語学習得という面では、彼らにそれをとにかく使わなければならないという十分な機会を提供します。また、習得の過程で異文化への適応という面でたくさんの苦労も経験しなければなりません。そうすることで、彼らは知恵をつけていきます。日本とはまったく違う、自己表現の機会は最初のうちは、日本からの留学生とっては、受け入れられないことかもしれません。なぜならば、日本の教育機会のなかでは、自己表現が通常の授業で重視されていないからです。

ディスカッション、ディベートなどの技術も日本では、高等教育時代に学ばれるべきことというのが一般の認識です。しかし、それでは、とても今の時代において遅い気がしてなりません。なぜならば、高等教育機関に入って、2年も過ぎれば、こんどは就職のための活動を開始しなければならず、結局落ち着いて、自分の特性や個性に気付き、それを磨き、伸ばすための教育的装置としてのディスカッションやディベートなどは、学生時代のプログラムには結局出てこないからです。

初等、中等、高等教育課程のなかで、語学のみならず、自分とは何かを追求するプログラムがあってもいいと思います。

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