グローバルキャリア塾 連載コラム

所変われば品変わる (第2回)

第2回:内開き戸・外開き戸

Endeavour Japan エンデバー・ジャパン
主宰

川内 和子(かわうち かずこ)

東京都出身。早稲田大学卒業。大学3年次に米国国際線航空会社のフライト・アテンダントに最年少で採用され、米国でのトレーニング後、米国に居住し世界路線で世界をめぐる。大学卒業後は、米国最大手銀行、米国大手投資銀行等を経て2008年春に、世界の知識を広め・知識を共有することをめざすEndeavour Japan エンデバー・ジャパンを創設。

(2008年11月15日掲載)

皆さん、こんにちは。Endeavour Japanの川内です。Endeavour Japanでは、世界の知識を広め・知識を共有することをめざし、世界の種々のトッピクスを各国の専門家に英語でセミナーをしていただいています。

毎回セミナー後に行なわれる楽しい交流会では、いろいろな国ご出身の皆さんと話をしていると、文化的差異などで「所変われば品変わる」という諺を身近に実感します。今回は家屋の扉が『内開き戸』か『外開き戸』に関するものです。今まで気にしたことがありましたか?

先日、交流会の際に参加者のひとりでアメリカ人のジョンが「子供の頃アリゾナの家の玄関を開けた時・・・」と言って、手で扉を押すしぐさをしました。それを見た日本人の参加者が「あれ、玄関の扉は手前に引くでしょう?」と声をあげました。

すると、ジョンは当を得たりという顔をして「住まいというのは、環境に左右されますよね」と言い「欧米では家が広いので、扉は『内開き戸』ですが、日本の住まいは狭いので、今自分の住む赤羽のマンションでも玄関を含め家の中の扉は全部手前に引く『外開き戸』ですよ」と説明し始めました。さらに、「もし扉を押すような『内開き戸』だと、玄関に置いてある私のたくさんの靴が押されてごちゃごちゃになって毎回整頓するのが大変ですよ」と言うと、参加者たちは、自分の家の玄関の様子を思い浮かべ苦笑いをしていました。

ジョンは学生時代にヨーロッパに留学をしたことがあるそうで、ヨーロッパ各国の文化や住環境にも詳しいそうですが、彼が住んだことのあるドイツでもやはり扉は『内開き戸』だったそうです。ジョンが言うには、10月初めに大阪難波の個室ビデオ店で、放火により15人の犠牲者が出た事件では、狭い通路の両側の部屋の扉が『外開き』だった為に、各室から扉を開けたことで通路がふさがれてしまい、避難ができなかったのも犠牲者が多かった原因のひとつであったのではないかと言い、参加者全員がジョンの洞察力に「う~ん」と、うなってしまいました。

さらにジョンは「アメリカの刑事映画やドラマで、部屋に逃げ込んだ犯人が部屋の内側から入口の扉にソファーや椅子を積んでバリケードにし、刑事が手に拳銃を持ち、足でその扉を蹴って突入するシーンがよくありますよね。ところが、日本で犯人がこんなことをしても、刑事が『外開き』扉の鍵を壊して、取っ手を引いて開けてしまえば、バリケードの役割はないですよ」と説明すると、全員なるほどとうなずいた後大笑いしました。
「日本の玄関の扉に付いている蝶番(ちょうつがい)は外側にあるので、私のように体が大きくて力がある者には、簡単にはずせますよ。『外開き戸』は、防犯にはあまり優れていないみたいですね」との警鐘には、日本人参加者たちは今までに考えたことも無かった事ですので本当に驚いていました。

家屋の扉ひとつでも国によって文化的な違いで『内開き戸』と『外開き戸』があり、それにより生活習慣も変わるということで、これから欧米の映画を見る時に大いに役に立つジョンのうんちく話でした。今回も「所変われば品変わる」ということをつくづく参加者一同実感した次第です。皆さんもぜひ次回セミナーにご参加ください。

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