グローバルキャリア塾 連載コラム

YOU CAN DO IT (第5回)

第5回:大学は教育の場を提供するサービス業です

留学・キャリアアドバイザー

池田 剛(いけだ ごう)

日本の大学を卒業後、旅行会社勤務を経て1982年渡米。修士課程修了後、日系メディアで報道番組制作や留学生のための進路指導業務に従事。2009年帰国、現在はLAの日本語ラジオ局向けに情報番組を制作したり、個人で留学指導や進路指導を行っている

TJS

(2010年6月1日掲載)

前回のコラムで、アメリカの大学の特色のひとつであるdiversityについて書いた。実に多くの国からの留学生と年齢に関係なく学ぶ学生たちの姿に大いに刺激を受けたわけであるが、私がもう一つ驚かされたのがアメリカの大学の持つ「柔軟さ」である。

オレゴン州立大学のマスコット

私は1982年6月からアメリカでの留学生活をスタートさせたが、留学する前まではアメリカの大学(学校)は9月入学、5月末卒業と思っていた。勿論、基本的にはその考えでいいのだが、詳しく言えばアメリカの大学は学期ごとに入学、卒業が可能である。すなわち、セメスター制(semester)の大学であれば夏学期を含めて年に3回、クォーター制(quarter)であれば年4回、入学と卒業時期があるのである。

授業は学期ごとの単位制であるから、学生は卒業単位数を満たした時点で卒業資格を得る。時々アメリカの大学を3年で卒業したという人の話を聞くことが、そんな人は各学期ごとに少し多めに科目を履修しているのである。反対に少しゆっくり卒業したい人は自分で少なめに単位をとるようにすればいいのだ。


アメリカの大学には卒業までの在学期間というのが無いから、何年かけて卒業しても良い。途中何年休学していても単位が喪失することもない。大学在学中に結婚をし、子育てが済んでから復学して卒業したという話は日常茶飯事なのである。日本では休学中にも一定の費用を大学に支払わなくてはならないが、アメリカの大学の場合は履修単位数に応じて授業料が設定されているので、休学中に費用が発生することはない。私が関係した日本人学生にも、経済的理由で一時帰国を余儀なくされたが、その後再度お金を貯めて留学し、みごと卒業した学生がいる。

一定の条件さえ満たせばトランスファー(転学)も自由だし、学年の途中に別の大学で単位を履修して、自分の大学の卒業単位に加算することも可能だ。

私がアドバイスをしたある学生は、最初の1年間、ワシントンDCの大学で学んだ後、その大学からの留学生としてフランスの大学で1年間学び、岐路の途中、カリフォルニアの大学で半年間授業を履修した後に、最初にいたワシントンDCの大学にもどり卒業した。このようなケースも決して珍しいことではない。

やはり私が携わった学生の中には、卒業と同時に二つの学部から学位を得たものや、主専攻と副専攻という形で学位を得たものもかなりいる。自分で自分だけの学科を作ってしまった者もいる。

いずれの学生にも共通しているのは「大学が本当に学生本位に考えている」と述べていることだ。

かれこれ20年近く親しくさせてもらっている、ある大学の学長(知り合った当時は副学長であった)は、最初に会った時に、「私は大学というのはサービス業だと思う。この大学を選んだ学生や将来この大学を選んでもらうために、最高の教育の場を提供するサービス業だと思っている」と言っていた。

私は彼のこの言葉を広く日本の人にも知ってもらいたく、そしてそんな場がアメリカの大学にはあることを知ってもらいたく、メディアの仕事と平行して留学のアドバイスにも力をいれているのである。

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