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コラム「国際派アスリートたち」第4回

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第4回:山本尚貴選手を支えるイタリアで培った人生観

竹内博信氏

スポーツコラムニスト/マーケティングジャーナリスト

竹内 博信

大学卒業後、外資系メーカー、市場調査会社などに勤務。主にマーケティング業務に従事する。その傍らでオブザーバーとして数々のスポーツを取材、アスリートとの親交を深める。彼らの半生を描いたノンフィクション小説を上梓予定。趣味は旅行、観劇、映画鑑賞他多数。

こんにちは。竹内博信です。

前回に引き続き、FORMULA NIPPONとSUPER GTに参戦している山本尚貴選手のお話しをします。

山本尚貴選手山本選手は高校入学と同時にイタリアに渡りレーシングカートのシリーズに参戦するも初年度は29位という結果でした。

それでも語学力、コミュニケーション力が備わってきた2年目は徐々に結果を出していきます。

「イタリア語を学んでいく中で自然と英語の力もついていきました。ネイティブを10だとすると初年度は2くらい。二年目になると5くらいまで上達したでしょうか。相手もイタリア語で話しかけてくれたのが嬉しかったです。何より海外にいると生活していけないので自然と覚えていました。」

2年目のカート参戦はシリーズ5位という好成績で締め括った山本尚貴選手はこの2年間のイタリア滞在で人生観がガラリと変わったと言います。

帰国した2006年、山本選手は本田技研工業社が取り組んでいるドライバー育成プログラムに参加、そこで最優秀の成績を修めFCJというカテゴリにステップアップします。ここでも2位という好成績を修めた山本選手は2008年に全日本F3のCクラスとNクラスという2つのクラスがある中で上位に位置するCクラスのチームに抜擢されました。順調にキャリアを積み重ねていった山本選手でしたがこの年は苦戦、クラスでも下位に沈みました。そして2009年はNクラスから参戦することになりました。十代にして早くも味わう二度目の挫折。それでも山本選手はイタリアでの苦労と比べれば気持ちは楽だったと言います。

「海外では生活を賭けてカートに挑み敗れた者は去っていきました。僕はシーズンが上手くいかなくても翌年、チャンスを与えてくれるチームがあった。これは恵まれていることで本当に感謝しています。」 

下のクラスといってもF3のNクラスは非常にハイレベル。山本選手は並み居る強豪がひしめく中で2009年のタイトルを大分県:オートポリスでのレースで決めました。表彰台、記者会見では涙ぐむ山本選手がいました。苦労と挫折を知っている関係者は山本選手に暖かい言葉をかけていました。山本選手はそこでまたレースを好きになりました。


山本尚貴選手そして2010年に国内トップカテゴリであるFORMULA NIPPONとSUPER GT 500クラスへステップアップすることが決まりました。ここにはF1に参戦していたドライバー:R.ファーマンやF1チームのテストドライバーを務めていたA.ロッテラーという世界でもトップレベルの選手が参戦しています。それでも山本選手はひるむことなく「与えてくれたチャンスをものにしたい」と果敢な走りをみせ、SUPER GTの開幕戦では3位表彰台を獲得。鈴鹿サーキットは興奮の渦に巻き込まれました。

そして地元の栃木県で行われたFORMULA NIPPON第2戦、決勝は激しい雨が降るコンディションでしたが、オープニングラップでA.ロッテラー選手を見事にパスしました。「外国人ドライバーも同じライバル」、その後も前年チャンピオンのL.デュバル選手とバトルを演じ5位に入賞しました。これはチームメイト:小暮卓史選手を上回るものでした。

「海外参戦の経験があったから今の僕がある。欧州で同じ時間を過ごしたライバル達は常にレースのことを考え、自分自身がプロとして活動していくためには、どのような心構え、どのような振る舞いが必要なのかを常に教えられました。」


山本尚貴選手6月にマレーシア:セパンサーキットで行われるSUPER GT第4戦を前に「久しぶりの海外レースなので楽しみ」と心待ちにしていました。そして決勝でも快走をみせ、「あともう少しでトップに立てる」というところまでポジションを上げました。誰よりも速いペースで追い上げ、追い抜きを試みたのですが前の車と接触してしまいペナルティを課せられました。最終的に5位でフィニッシュ。デビューシーズンにおいては上々の成績と言えるのですが、レース後、山本選手は悔しそうな表情を見せました。セパンの湿度は90%を超えドライバーの体力を奪いました。山本選手は医務室で治療を受けました。

海外でレースをしたことで改めて「自分は何故走るのか」、その目的を改めて確認した山本選手。今シーズン、彼が一つ一つのコーナーで躍動するマシンをコントロールしている姿をサーキットでご覧になるファンは何かを感じることでしょう。


山本尚貴選手「まずは日本でしっかりとした実績を残していきたい。そして周りから認められたら将来はまたヨーロッパやアメリカでレースをしたいです」

淀みの無い表情で語ってくれました。ストイックな生活を心がけ、常に家族や関係者への感謝の気持ちを忘れない山本選手の今後の活躍を楽しみにしています。



山本選手の紹介は以上になります。
次回、ご紹介するドライバーは現在、調整中です。更新を楽しみにお待ち下さい。

<写真提供: ex-sports.jp

〜続く




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