グローバルキャリア塾 連載コラム

ここから始まった~NGOスタッフへの道 (第3回)

第3回:「今しかない!」と飛び出し向かったタイ

特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
リレーコラム

長谷部 貴俊

■特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC):
カンボジアやラオスでは、生活の安定を目指す地域開発活動を、パレスチナやイラクでは、医療や食料を届ける人道支援活動を実施。現場と日本をつなぐ、政策提言、調査研究も重要な活動の柱です。「問題の根本に取り組む」これがJVCのポリシーです。
【活動地】カンボジア、ラオス、ベトナム、タイ、コリア、アフガニスタン、パレスチナ、イラク、スーダン、南アフリカ

■下田寛典:
「書を捨てよ、町へ出よう」よろしく、大学在学中にコンピューターを捨ててタイの農村に飛び込む。タイの村人の「生きる力」に魅せられ、現在、JVCのタイ事業担当。


特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)

(2009年11月1日掲載)

日本国際ボランティアセンター(JVC)でタイ事業を担当しています。実はJVCはタイで生まれたNGOです。1980年、インドシナ難民を機に日本の若者がバックパックひとつ持って集い、難民キャンプでボランティア活動を始めたのがJVCの先駆けです。JVCがタイで活動を始めてもうすぐ30年になります。30年間の間にタイも随分変わりました。首都バンコクには高層ビルが立ち並び、電車や地下鉄が整備され、街中には携帯電話を持つ人の往来が絶えないなどめまぐるしく発展してきました。

こうした変化の中で外国のNGOの役割も変わってきたように思います。それまで外国のNGOは支援する側、タイは援助を受ける側という垂直的な関係でしたが、タイのNGOも自分たちで問題解決する力をつけてきました。外国NGOがタイに一方的に支援をするという関係性を見直す時期にきているのだと感じます。

いまJVCがやっているのも、タイの農村部を舞台に日本の若者を送り込んで現地で国際協力を勉強しようという趣旨の長期研修プログラムです。タイの農村に1年間滞在し、タイの村人から本当に必要な支援とは何なのか、国際協力はどうあるべきなのか、そのためにわたしたちにできることは何なのかといった事柄について、わたしたち日本人がタイの村人から学ぶのです。わたしはいまその研修プログラムの運営をしています。

インターン研修風景


いまは国際協力ドップリのわたしも実はこの研修プログラムの修了生です。大学を休学してこのプログラムに参加しました。国際協力の分野で働く人や志す人は、国際政治や国際経済について学んできた(いる)人が多いように思いますが、わたしが勉強してきたのは「コンピューター」。

大学での勉強はコンピューターと向き合う毎日でした。大学2年目を終えた頃、「このままでいいんだろうか?じぶんはコンピューターがそんなに好きなんだろうか?」と疑問を持ち、「時間がある今だからこそ今しかできないことをしたい」と思うようになりました。「できることなら今まで行ったことない場所。環境や文化、言葉もまったく異なる国で自分にできることを知りたい!」という好奇心だけが原動力でした。

インターンの研修風景

「留学」や「インターンシップ」といったキーワードで検索をかけたとき、JVCのこの研修プログラムと出会いました。その時はJVCが国際協力をするNGOだなんて全然知りませんでした。わたしはODAもNGOも知らない国際協力ド素人でした。応募してしばらくしてグループ面接を受けました。他の応募者は「ODAのココが問題だ!」とか、「草の根で村人と向き合ってやっていくことが大切なんだ!」と発言していましたが、わたしには「ODA?」「草の根?」と、とにかくチンプンカンプンでした。

わたしが唯一言えたのは「タイは貧しいと聞きました。自分に何かできるんじゃないかと思って応募しました。」くらいのことです。面接を終えたときには、正直「無理だ…」と思いました。しかし、なぜか受かってしまったんです。

後々、面接の担当者から聞いたのですが「(下田は)国際協力を全然知らないし、行ったこともないタイを貧しいって言う。自分の目でタイを見て現地の人に揉まれるだけ揉まれてその考え方が変わったら面白いなと思った。」と言われ、本当にラッキーなだけだったのだと分かりました。

ですから、わたしの場合、明確な目的意識があったというよりも、「このままでいいのかな?」という心の声に従ったことが、いまこうして国際協力で働く道に繋がっています。「このままでいいのかな?」と心のメッセージが発せられている時、きっと将来のじぶんのことを真剣に考えている時間なのだと思います。だから、その声に耳を傾けて「ここぞ」というタイミングを逃さないようにすることが大切だと思います。

結局、好奇心と運が手伝って来てしまったタイ。体当たりで臨んだタイでの生活はまた次回ご報告します。

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