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コラム「Dr. Kの環境と化学」第3回

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Dr. Kの環境と化学 -豪州大学教育の現場から-

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第3回:「化学物質=悪」の図式

斎藤 敬氏

モナッシュ大学 化学科 グリーンケミストリー研究所
レクチュラー(准教授)

齋藤 敬 (さいとう けい)

1976年生まれ。早稲田大学 理工学研究科 応用化学専攻 博士課程修了 (工学博士)。日本で博士取得後、アメリカ、マサチューセッツ州で新しい学問であるグリーンケミストリー(環境に優しい化学)を創始者のもとで学び、2007年8月から現職。

モナッシュ大学 化学科 グリーンケミストリー研究所のWebサイト (英語)
上記Webサイトの斎藤氏のページ (英語)

前回に引き続き化学のお話を。
どうも化学物質=悪の図式が消えません。

とりあえず化学物質の名誉のために。 化学物質を含まない製品等はありえません。天然物、有機物、全て化学物質ですから。 この世界中に存在する全ての物は、人間もふくめ。化学物質です。炭素、水素、酸素などの元素からできています。 無添加商品も特別な化学物質を加えていないだけで、それ自体化学物質です。天然素材、有機食物、無添加商品など全てそれ自体が既に化学物質からできているという事を理解してください。

天然物の方が、毒性が高い場合さえあります。 ちなみに毒物と言われる物の大半は天然にあるものです。 例えば金目鯛、マグロ等に溜まる有機水銀も別に環境汚染が進んだからではなく元々自然界にある水銀が魚の体内に蓄積したものです。 水銀は自然界で海底火山等により海底に放出され、それをプランクトンが有機水銀に変え、食物連鎖に組み込まれます。

毒性といいましたが、どの化学物質が毒なのかはすごく曖昧です。 なぜかというと毒性というものは量が決めるものだからです。 セレンという重金属は、少量で人を殺せますが、微量は人間にとって必要だったりします。 塩だろうが、有機野菜だろうが取りすぎたら健康を害します。 大事な事は、人間に必要な化学物質を適度に取り、 それ以上過剰な化学物質を摂取しない事です。 余計な化学物質は人間に害ですので、当然食品添加物等は取りすぎないほうが良いです。

大事な事は化学物質を理解すること。 例えば有機野菜を育てるのには良い土壌が必要です。良い土壌には適度な窒素とリンが必要になります。 これらをどのように土壌に与えるか、つまり天然の肥料をどのように作るか等には化学の知識が使えます。窒素はアンモニア、アミノ酸等に含まれている等。

とりあえず全ては化学物質です。色んな事を理解するためには、化学知識が、あえて言うならば化学者が必要です。是非化学に興味を持ってください。

次回からは海外での教育システムの違いについて述べたいと思います。



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