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コラム「Mainichi Daily News編集長の目」第1回

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Mainichi Daily News編集長の目

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第1回:2009.6.1  毎日デイリーニューズ編集部

ナバ 高田容冶氏

英文毎日編集部長、毎日デイリーニューズ
編集長

福井 聡 (ふくい さとし)

1954年名古屋市生まれ。80年毎日新聞入社。甲府支局、東京社会部、外信部、90-93年アフリカ特派員ハラレ支局長、93-95年同ヨハネスブルク支局長、99-03年ウィーン支局長、03-05年外信部副部長、05-09年パリ支局長、09年4月から現職。著作 『アフリカの底流を読む』(ちくま新書)、『南アフリカ 白人帝国の終焉』(第三書館)。
パリ支局長時代の経験をもとにフランス社会の抱える問題について書かれたコラム「ボボたちのパリ」も同時連載中です。>>連載コラム「ボボたちのパリ」

「これほど英語の原稿を読むとは思いもしなかった」。

毎日デイリーニューズ編集長赴任2カ月後の率直な感想だ。特派員時代に比べて少なくとも3倍以上の量の横文字を毎日読み続けている。昼ごろから翻訳済みの英文が届き出して読み始める。途中会議や事務作業で中断しつつ、午後3時過ぎの猛烈な睡魔に耐え、その日の目途が立つ同7時ごろには疲労困憊、心身衰弱。体中の精気をすべてパソコンに吸い取られたような気になって帰宅する。

ただ、仕事は面白い。まず、朝1番で新聞を隅から隅まで読む。紙面は玉石混交。どうにも訳す気にならない記事がある一方、「記者の目」や「ひと」や都内版の「東京見聞録」には訳したくなる記事が多い。デスクと話しながらその日のメニューを決める過程の面白さは編集長の特権だ。

午後になって、次々と流れ出てくる英文のチェックも、時に抱腹絶倒の訳で笑わせてくれる。

概して日本人部員の訳で大笑いすることは少なく、英語ネイティブ人に傑物が多い。先日、国際五輪委員会が東京に視察に来た際、「ゴーグルのような映像プロジェクターで視察した」を、ネイティブA君は「グーグル社製のゴーグルで視察した」と書いてきた。あの新型プロジェクターはどことなくグーグルが作りそうで笑えた。浅草周辺の紹介記事で「どじょう料理店の店先で食文化について語る」を、ネイティブB君は「どじょう漁の地元料理への影響を語る」とこじつけた。「どじょう屋の店先で食文化を語る」のニュアンスは日本人でなきゃあ分かるまい、と一人ごちた。

いや、実は、日本人部員にも傑物はいる。

赴任直後のころ、日銀の政策をめぐる記事が、自分で選定しておいて面目ないが、何度読み直しても意味が分からない。そのうちCデスクの訳した英文が出てきて読むと論旨明瞭、理路整然。何でこんな訳がスラスラ出てくるのかとたまげた。彼にはネイティブも「硬派ニュース英訳では日本の第一人者」と太鼓判を押す。ふだんは大阪弁のおっちゃんだが、ひとたびパソコンに向かうとキーボードを機関銃のように打ちまくる。しかも、休みのたびにパラオで潜る。特異分野のプロで趣味人。日本社会の成熟度を体現しているようにも思える。

部員はいずれも翻訳のプロだ。誰も強烈な個性を放つ。今日はどんな名訳、珍訳がでて来るだろうか。

 最近訳した面白そうな記事を以下に紹介します。

 Mainichi Daily News  2009.6.1

※ 各記事のページから、「毎日.jp」(日本語)の同じ記事へリンクされています。
※ Mainichi Daily Newsのサイトでは、基本的に各記事の掲載期間が1ヶ月となっています。掲載後1ヶ月経過した記事については、ページが削除されている可能性がありますので、ご了承ください。


★外人東京見物の日本人ボランティア

★病院の「送り人」

★クーちゃん物語

★日本語で文学賞を取ったイラン人女性

★世界に誇る点字毎日87周年

★若者だけに聞こえるノイズ

★肉を食べるということ

★ストリート・ビューの問題点

★わさびのにおいで目を覚まささせる火災警報器



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毎日新聞社パリ支局長として約4年間をパリで過ごした福井さんが、その時の経験をもとに書き下ろした新作。移民や格差社会の問題、新たな政治的・文化的スタイルをもつ人々の登場など、フランス社会の変容とその背景に迫ります。
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