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コラム「Mainichi Daily News編集長の目」第24回

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第24回 2011.5.1 原発後

ナバ 高田容冶氏

英文毎日編集部長、毎日デイリーニューズ
編集長

福井 聡 (ふくい さとし)

1954年名古屋市生まれ。80年毎日新聞入社。甲府支局、東京社会部、外信部、90-93年アフリカ特派員ハラレ支局長、93-95年同ヨハネスブルク支局長、99-03年ウィーン支局長、03-05年外信部副部長、05-09年パリ支局長、09年4月から現職。著作 『アフリカの底流を読む』(ちくま新書)、『南アフリカ 白人帝国の終焉』(第三書館)。
パリ支局長時代の経験をもとにフランス社会の抱える問題について書かれたコラム「ボボたちのパリ」も同時連載中です。>>連載コラム「ボボたちのパリ」

で、原発をどうするのか? 福島第1原発の事故が収まらない中、統一地方選が行われた。事故の被災地と原発をかかえる地域以外では、原発の是非は直接の論議にはならないが、今や日本人の誰もが原発とどう生きるかを考えている。

石原慎太郎東京都知事は「原発を止めれば日本の経済を担う電力は何でまかなうのか。風力など代替エネルギーではとてもコストが合わない」と断じた。確かに、現在稼動中の原発まで止めれば多くの工場が止まってしまうかもしれない。しかし、原発には「万一の事故が計り知れない影響を及ぼす」だけでなく、「使用済み核燃料の最終処分法が決まっていない」という難題もある。福島の事故を経た日本としては、少なくとも「原発新設は中止。稼働中のものは耐用年限終了後に廃棄」と打ち出すべきではないか。「コストが合わない」と言い出せば、代替エネルギー開発に弾みがつかず、いつまでたっても原発はなくせない。

一方、前社民党衆院議員の保坂展人氏は「脱原発」を訴えて世田谷区長に当選したが、区長選で脱原発を掲げるのにはやや違和感がある。世田谷区内や周辺に原発はなく、同区は都内でもっとも豊かで、福島原発の恩恵を最大限享受している地域だ。脱原発を掲げるなら、バブリーな電力消費を止め、区独自の代替エネルギー策を打ち出すべきだ。

代替エネルギーは現状では高い。でも原発はもうゴメンだ。農水産物への影響は計り知れず、外国人観光客は来なくなった。もう代償を払っても次の一歩に踏み出すほかない。




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