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コラム「Mainichi Daily News編集長の目」第28回

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第28回 2011.9.1 「理系の授業はすべて英語で」

ナバ 高田容冶氏

英文毎日編集部長、毎日デイリーニューズ
編集長

福井 聡 (ふくい さとし)

1954年名古屋市生まれ。80年毎日新聞入社。甲府支局、東京社会部、外信部、90-93年アフリカ特派員ハラレ支局長、93-95年同ヨハネスブルク支局長、99-03年ウィーン支局長、03-05年外信部副部長、05-09年パリ支局長、09年4月から現職。著作 『アフリカの底流を読む』(ちくま新書)、『南アフリカ 白人帝国の終焉』(第三書館)。
パリ支局長時代の経験をもとにフランス社会の抱える問題について書かれたコラム「ボボたちのパリ」も同時連載中です。>>連載コラム「ボボたちのパリ」

青色発光ダイオードの開発で世界的に高名な電子工学者、中村修二カリフォルニア大学教授が、某紙の英語学習についてのインタビューに「若いうちに留学するしかない」と応えている。「私は45歳で米国に来たが、遅すぎた。高校で留学していればとつくづく後悔している」という。

その通りだ。留学なしで国内だけで英語を習得するのにはかなり無理がある。が、中村教授の次の論旨を聞くと、首を傾げたくなる。「科学の標準語は英語。日本語の入る余地はない。文系も理系も同じ国語の勉強をするなんて人生は、時間の無駄遣いだ」。

たしかに科学者にとって日本語(国語)の授業は無駄かもしれない。しかし、高校時代に日本語、あるいは日本の風土や歴史を学ばずして、いつ学ぶのだろうか。日本語教育は「立派な科学者」には無駄かも知れないが、「立派な日本人の科学者」には必須だ。効率的に科学者としての大成を望むだけなら、米国に帰化すれば早いのでは。紙面では「日本人である科学者」への迷いについての質疑が抜けている気がした。

この問いは、現在東大が提起している「新学期を外国に合わせて9月に」の論議にも通じる。留学生受け入れなど海外との連携を考えれば当然だろうが、「新入生を桜咲く4月に迎え歓迎したい」との伝統はどうなるのだろうか。華やかに咲き儚く散る桜は、日本の風土に欠かせない。非効率だからと切り捨てるには惜しい習慣の気もする。





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