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コラム「海外経験をキャリアにつなげる!〜「留学」の先にあるもの〜」第5回

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海外経験をキャリアにつなげる!
〜「留学」の先にあるもの〜

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第5回:留学で「価値観が変わる」「視野が広がる」とは、どういうことか

マイナビ国際派就職 広報・編集担当
俊野 香織

■マイナビ国際派就職:株式会社毎日コミュニケーションズが運営する、海外留学経験者やバイリンガルのための就職情報サイト。夏と冬の年2回、グローバル人材のためのジョブフェア「マイナビ国際派就職EXPO」も開催。

■俊野香織:マイナビ国際派就職の広報・編集担当。留学前や留学中、帰国後の学生を対象に「留学と就職」に関するガイダンスを開催。大学時代には、アメリカ・インディアナ州の大学に留学経験あり。


留学生活の中には、数え切れないほどの出会いがあります。言葉や文化、価値観など、さまざまな「違い」を超えてのコミュニケーションの中には、それまでの考え方が覆されてしまうような目の覚める発見があるものです。これは、留学経験者がよく口にする「価値観が変わった」「視野が広がった」といった経験なのだろうと思います。なにも、立派な留学体験談として語り継がれるようなものである必要はなく、むしろ日常生活の中にこそあふれているものです。

それは例えば、こんな些細なエピソード。

私自身の留学生活を振り返ってみて、心に残る想い出としてまず思い浮かぶのが、ネパールから来た留学生との出会いです。社交的で誰にでも親切に接する彼は、交友関係がとても広く、いつも大勢の人に囲まれていました。同じアジアからの留学生であり、当時住んでいた寮も同じだった私も、彼と話をする機会が多くありました。その中で、ひとつだけどうしても気になることがありました。こんなに親しみやすく、周りからも信頼されていた彼ですが、人に「ありがとう」と言う姿を見たことがなかったのです。

多くの人との関わり合いの中で「ありがとう」を聞かないというのは、私にとってかなり違和感のあることでした。自分が彼に何かしてあげたとき、黙ってただにっこり笑われるというのも寂しいことで、「彼は思いやりの気持ちに欠けているのかな?」と感じたことさえありました。そこである日、私は思い切ってこの違和感について、彼に話をしてみました。するとこんな答えが返ってきたのです。

「誰かに親切にしてもらうと、その人への感謝の気持ちが生まれる。それをどのように相手に伝えるか、という手段の違いだと思うんだ。僕は『ありがとう』という言葉によってではなく、別のときに自分が親切にして、行動でお返しをしているんだよ。大切なのは、うれしい気持ちをずっと胸に抱きつつ、親切と感謝のサイクルを持続させることなんじゃないかな。」

これがネパールの文化なのか、彼が信仰するヒンズー教の影響なのか、またはただ彼の家族がそのように心がけているのかは分かりません。それでも、私にとっては思いもよらなかった発想であり、「異なる価値観を知った」経験でした。そして思ったのです。私は「ありがとう」という言葉を口にするとき、果たしてどれくらい感謝の気持ちを込めていただろうかと。もしかすると、ただ条件反射的に言葉だけを並べて、その場限りの挨拶になっていなかったのかと、自分を振り返るきっかけともなりました。私にとって、異なる価値観を知るだけでなく、自分自身の「視野が広がった」瞬間でもあったように思います。

とある企業の人事担当者が、このようなことを仰っていました。「留学経験のある学生は、うちの会社にもよく応募するけれど、エントリーシートや面接でみんな同じことばかり口にする。『国際性が身に付きました』『異文化に触れて、価値観が変わりました』『海外に出て視野が広がりました』――どれもそんな表現ばかりで個性がない」と。

こういった自己PRの言葉の裏には、例えば私がネパール人の友人から学んだ経験のように、きっとさまざまなエピソードが隠れていることと思います。就職活動に関していえば、こういったエピソードをいかに具体的に、わかりやすく相手に伝えられるかが大切です。

留学から帰国した学生と話をしていて、「せっかく留学に行ったけど、自己PRで使えるようなエピソードってないんです。インターンシップをしたわけでもないし、クラブ活動にも参加してないし」といった相談を受けることがあります。上記にご紹介したように、留学経験の中で身につけたものというのは、些細な日常生活の中に隠れているものだと思います。抽象的な言葉で片付けてしまわないで、こういったエピソードをぜひ分かりやすくアピールすると良いと思います。

そして就職活動を終えて社会に出てからも、留学生活を振り返るたびに思い出したり、自分の支えになってくれたりするのは、こうした身近な誰かのひとことだったりします。そんな存在を手に入れることこそ、留学生活の宝物なのではないかと思うのです。



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