グローバルキャリア塾 連載コラム

英語が楽しくなるコラム (第1回)

第1回:『セックス・アンド・ザ・シティ』にハマって、リスニングが上達した話

英語講師、通訳、翻訳

雪 めいこ

1980年大阪生まれ。フリーランスで英語講師、通訳、翻訳を手がけている。神戸大学で芸術学を専攻し、広くアートの知識を深める。卒業後、事務職として某大学に約4年半勤務し、その間に1年間アメリカで業務研修を受ける。退職後、ニューヨーク大学で国際教育の修士号を取得。その後、様々な企業や国際機関等で翻訳や通訳の仕事を経験。転職の合間にアジア、アフリカ、中東をバックパック旅行でまわり、現在は英語、国際交流、アート、食などの多様なテーマでイベントの主催も行っている。
■Facebookページ https://www.facebook.com/YukiNoEnglish

(2015年2月15日掲載)

初めまして!雪めいこです。英語に関わる仕事をしていて思うことは、"「楽しい」がいかに大切か"ということ。楽しい時間は記憶に残るし、逆に、面白くない時間は忘れたくなりますよね。なので、このコラムでは、「英語って楽しい!」と思ってもらえるような勉強法、教材、ニュース、などを紹介していきたいと思っています。

まずこのコラムの最初の数回は、私が特に「英語って楽しい!」と思えて、かつ英語の上達にも役立った "英語のドラマやアニメを見ること"についてお話したいと思います。私がハマったドラマやアニメの解説。そして、それぞれの作品で、英語学習にとって役立つところ、注意すべきところを説明していきたいと思います。

★オススメ学習法①:英語のドラマやアニメを見ること

この学習法の利点は"母国語を習得するのと同じように学べるところ"です。私たちが赤ちゃんの頃に日本語を覚えたように、状況を目で見て、「あ、この場面でこういうことを言っているから、これはこういう意味なんだな」と学習できます。

● リスニングの練習になる
● "教科書的"じゃない表現を学べる
● 抑揚の付け方やジェスチャーを同時に学べる

という点でもオススメです。ハマると、楽しくて自然にもっと見たくなるところも良いですね。

 
★オススメ作品①:セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)

セックス・アンド・ザ・シティ

ニューヨークに住む30~40代の独身女性4人キャリー、サマンサ、ミランダ、シャーロットの生活を描き、1998年から2004年にかけて6シーズン続いた大人気ドラマです。初めは、性生活について開けっ広げに話す主人公たちに度肝を抜かれましたが、恋、仕事、家族のことで悩みながらも、親友同士支え合い、一緒に笑ったり泣いたりしながら前に進んでいく様子に共感し、心を打たれました。アメリカ的な行動や考え方に驚かされることもありましたが、感情の動きや人間関係などは、「人間って実はどこの国でもそんなに変わらないのかも?」と思わせられました。

SATCはファッションでも多くの人を惹きつけました。「こんな格好でよく外に出れるな!」と思うようなアバンギャルドすぎるものもあれば、真似したくなるようなとびきりオシャレなものもあり。今見てもワクワクします。NYらしい、みんなが「私は私の好きな服を着る」という精神が感じられるからかもしれません。

私は本当にこのドラマが大好きで、一時期は仕事の時間以外ずっと、お風呂の中でも、寝ている間も、DVDを流していました。セリフを覚えようと思っていたわけでもなく、自然に頭の中に今でもセリフが残っています。そしてこの経験が、私の英語のリスニング力、語彙力、表現力(声のトーン、ジェスチャーなど)の向上に多いに役に立つことになったのです。

私のSATCへの熱い思いはこの辺にして、ではこのドラマの“良いところ”と“注意すべきところ”を英語学習の観点から説明していきたいと思います。

☆『SATC』の良いところ
1. 日常的な会話を学べる
2. アメリカの文化や価値観について学べる
3. 情報が手に入りやすい

★『SATC』の注意すべきところ
1. ダーティーなスラングが多い
2. 男性は女性的な話し方を習得してしまう可能性がある

 
【解説】『SATC』の良いところ☆

1. 日常的な会話を学べる
このドラマに限らず、英語学習のための作品を選ぶ時は、日常的な会話が出てくるものを選ぶのが良いでしょう。例えば『24』などは、ドラマの設定も会話も特殊すぎるので、“日常的に使える英語”を学ぶのは中々難しいと思います。

2. アメリカの文化や価値観について学べる
例えば、アメリカには色んな人種や宗教の人がいるので、そういったことがストーリーの中に自然に出てきます。シャーロットはユダヤ人と恋に落ちるのですが、「ユダヤ人としか結婚できない」と言われ、改宗する決意をします。シャーロットの恋愛を通じて、ユダヤの食習慣や結婚式の様子などを垣間見ることができます。また、サマンサが黒人の男性と付き合い始めると、彼の妹から「白人は恋人とは認めない」と言われてしまいます。こういったエピソードから、アメリカでの人種や宗教にまつわる問題やステレオタイプを知ることができます。
また、LGBTもよくトピックとして扱われています。LGBTとはレスビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの略で、日本でも最近は少し認知度が高まってきましたね。キャリーにはゲイの親友スタンフォードがいて、彼の恋愛相談を受けたり、デートの様子が描かれていたりします(このスタンフォードがまた可愛くて、私は大好きなんです!)。また、サマンサがニューハーフ(英語ではShemaleと言います)になった元彼に遭遇し、しかもサマンサと名乗っていることが判明してショックを受ける、という回もありました。私の経験でも、アメリカでのインターン先の上司がゲイだったり、元クラスメイトが女性同士で結婚したり。LGBTはアメリカでは接する機会が多いので、留学や仕事で行かれる方は、この話題に慣れておくと良いと思います。
ただもちろんドラマなので、アメリカの色んな文化について、現実より誇張している部分はあると思います。また、「ニューヨークはアメリカではない」という人もいるぐらい、ニューヨークとアメリカのその他の地域ではライフスタイルや考え方が違うところもあります。これらの点はご注意ください。

3. 情報が手に入りやすい
ドラマの中ではたくさんのスラングや固有名詞が出てきて、「なぜこの英語がこんな風に和訳できるんだろう?」と疑問に感じることもあると思います。中には辞書に載っていないものもあります。でもネットで検索すれば、SATCファンがすでにその疑問に答えてくれている可能性が高いのです。エミー賞(アカデミー賞のテレビ版のようなもの)を7回も受賞し、世界中にファンがいるSATCだから、日本語でも英語でも情報が手に入りやすいのです。

 
【解説】『SATC』の注意すべきところ★

1. ダーティーなスラングが多い
性的な描写や発言がかなり多いので、その手の話題が苦手な人は避けた方が良いでしょう。また、普通は人前で使うのは憚られるようなSワード、Fワード、Cワードと呼ばれるものが頻出するので(興味のある方は検索してください)、このドラマで学んだ語彙を使う際は、気をつけるようにしましょう。

2. 男性は女性的な話し方を習得してしまう可能性がある
みなさんも「標準語の人とずっと話していたら、標準語が移ってしまった」という経験のある方はいると思います。また、日本語でも女性らしい語彙や話し方、男性らしい語彙や話し方があるように、英語も同じです。キャリーたちがよく言うFabulous!(「素敵!」という意味)を男性が使っていると、少し変に聞こえるかもしれません。「どの人の英語の話し方をお手本にしたいか?」を考えながら、色んな英語ドラマやアニメを見ると良いと思います。

いかがでしたか?もしSATCに興味をもたれたら、ぜひ見てみてください。じっくり見て、登場人物たちのように気の利いた会話がポンポンできるようになるといいですね。

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