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コラム「インド・ビジネス・レポート」第4回

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第4回:研究の海外発信を促進する

粟野亮二

グローバル・マーケティング・アソシエーション株式会社
代表取締役

粟野亮二

同志社大学大学院ビジネス研究科修了(MBA)。グローバル・マーケティング・アソシエーション株式会社代表取締役。マーケティングを軸に日印間でビジネスを展開している。研究論文やビジネス専門文書の校正、翻訳、海外出版サポート事業(http://www.manuscriptedit.jp)や貿易、インド進出サポートなど。
■URL http://www.global-marketing.co.jp
■E-mail awano[@]global-marketing.co.jp
※[@]を@に置き換えてご送信ください。

私が、インドのレシプロ・サイエンティフィック・サービス(以下、レシプロ社)と共に事業を行っていることは以前に触れたと思う。どのような事業かというと、大学や研究所などに所属する研究者が執筆する研究論文を翻訳したり、英語で書かれている論文を校正したり、完成した論文を海外の学術雑誌に投稿するサポートを行ったりしている。学術雑誌は、ご存知の方もいると思うが、主に各分野の専門家が読む研究についての雑誌で、研究者にとっては自身の研究成果の発表の場となる。学術雑誌には日本国内のものと海外のものがあるが、私たちが扱っているのは海外の方なので、海外に研究成果をアピールする絶好の場となる。学術雑誌にはランクがあり、より高いランクの雑誌に掲載できれば、国内外での自身の評価を高めることができる。

実は、これら専門的なサービスは、インドを中心とした海外の専門スタッフが行っている。専門スタッフの多くは海外の大学で博士号を取得しており、各専門分野に精通している。そもそも扱う文書が、研究論文などの専門的な文書が多いため、該当分野の知識を持つ経験豊富なスタッフが作業をしないと品質の高いサービスを提供できない。少し宣伝みたいになってしまうが、価格も手頃に利用できるので、大学や企業の方々からの依頼も増えている。

レシプロ社の創業者であるベスラ博士は、もともとは研究者で、インド最高峰のインド工科大学(IIT)で博士号を取得している。前回述べたが、日本のつくばにある研究所で研究者として活動していた経験もある。彼は日本にいる時に、研究者が書く英語論文の校正を手伝ってきた経験から、この事業が日本の多くの研究者に役立つと考え事業を始めた。とても真面目で誠実な人柄の持ち主だ。

私たちが事業を通してやりたいことは、「日本の大学のグローバル化支援」だ。日本の大学のプレゼンスは、海外では高いとは言えない。国内トップの東京大学は、世界の大学ランキング(Times Higher Education 2014-2015)では23位、京都大学は59位、次の東京工業大学は141位まで下がる。私が通っていた同志社大学においては400位にすら入っていない。それにひきかえ、欧米の大学は上位を占めており、アメリカは400位以内に106大学がランクインしている。日本はその約9分の1の12大学のみだ。

差を広げられている一つの要因に、上述した論文の海外発信についての問題がある。論文を評価する指標に論文の被引用数というものがある。注目されている論文は、他の研究者が書く論文に引用される回数が多くなるため被引用数が高くなる。この指標で見た時、日本の大学で書かれている論文で、理工系の分野は高いランクを獲得しているものの、政治や経済などの文系分野は遅れをとっている。理由は、論文の多くが日本語で、海外発信が進んでいないからだ。

日本の研究者は、いずれの分野でも先端的で素晴らしい研究を行っている。必要なことは、いかに海外の人たちに知ってもらうかという点だ。私たちは、海外の学術雑誌への投稿サポートを通して日本の研究の海外発信を後押しし、海外における日本の研究者や大学の評価を高めることに役立ちたいと考えている。

レシプロ社のスタッフたち
▲レシプロ社のスタッフたちと



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