グローバルキャリア塾 連載コラム

在米カウンセラーのメッセージ「留学は修行!」 (第7回)

第7回:うつの学生のカウンセリング例:その1

サクセス・アブロード・カウンセリング
代表

角谷紀誉子

神戸出身、県立神戸高校、武庫川女子大学薬学部、ニューヨーク・ハンターカレッジ・ソーシャルワーク修士課程終了、米国ワシントン州認定臨床ソーシャルワーカー、サクセス・アブロード・カウンセリング代表

サクセス・アブロード・カウンセリング

(2010年8月1日掲載)

留学先の学校のアドバイザーから「カウンセリングに行って、うつの治療を受けないと退学です」と言われて、カウンセリングに来る学生がいます。留学には、学生ビザというしがらみがあるため、うつで不登校が続いても、成績不振が続いても、学校から退学になってしまう可能性があるのです。

そんな彼らがカウンセリングに来ると、「学校に日本人が多くて嫌だ」「ホストファミリーとうまく行かない」というような話がまず出てきます。日本での話を聞くと、同じような状態が昔もあったという人も多くいます。留学を機に、新天地でいちからやり直したい、いろいろな外国人がいる場所で勉強してみたい、という気持ちで渡米したのに、二学期目くらいから次第に元気がなくなり、朝学校に行く気力もなくなり、うつになって不登校になったというのです。

現在の学校やホームステイの問題を話し進めていくうちに、日本で不登校になった理由やうつの原因になる「決定的事実」が浮上してきます。それは、家族内の問題であったり、いじめられた経験であったり、人によって違いますが、共通して言えるのは、その事実を話すまでには結構時間がかかるということです。

それは、カウンセラーが信用できると思えなければ話せないほど辛い事実だからです。そこまでは、悩みの種ではあるけれど、それほど重要ではない問題が語られます。そういった事柄を話し、「このカウンセラーには話せる」と学生が感じ、カウンセリングの流れで「やっぱり『あのこと』が今の問題に関連している」という事実に直面したとき初めて「実は・・・」という段階になるのです。ここでは「いじめ」が「あのこと」の例題としてお話しましょう。

事実を話せたこと、まず、これが「やっと話せた」解放感をもたらせます。そして、第三者に「いじめがどんな風に自分に影響してきたか」の説明を客観的に受けることで、「きっとそうに違いない、いや、自分が悪いのかも知れない」とうまく整理できなかったことが明らかになり、それは「納得」と「理解された」という安心感を与えるのです。

しかし、カウンセリングはそこからです。いじめがあったから自分が問題を抱えることになった、という理解は過去の自分をわかったことに過ぎません。ここから「なりたい自分」になる作業が始まるのです。いじめによって、人間不信、自信喪失、挙動不審などが起こります。それらを乗り越え、「人と堂々と接することができる自分、うつを克服しうつにならない自分、やろうと思ったことが最後まで終えられる自分」を作るために、これから何段階かのプロセスの始まりです。それらのプロセスは次回にご説明します。

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