グローバルキャリア塾 連載コラム

こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した (第5回)

第5回:伝えることをあきらめない

特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス
理事長

鬼丸 昌也(おにまる まさや)

1979年福岡県生まれ。立命館大学法学部卒。高校在学中にアリヤラトネ博士(スリランカの農村開発指導者)と出逢い、「すべての人に未来を造りだす力がある」と教えられる。2001年、初めてカンボジアを訪れ、地雷被害の悲惨さと、地雷を通じて見えてくる世界の諸問題の原因を知り、「すべての活動はまず『知る』ことから」と、多くの人々へ伝えるための講演活動を始め、現在では年間100本にのぼる。 同年、「全ての生命が安心して生活できる社会の実現」をめざすNGO「テラ・ルネッサンス」設立。カンボジアでの地雷除去支援・義肢装具士の育成、日本国内での平和理解教育、ウガンダ北部での子ども兵の実態調査、小型武器の不法取引規制に関するキャンペーンなどを実施。2002年社団法人日本青年会議所人間力大賞受賞。

特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス

(2009年10月15日掲載)

「事実を伝えることだったら、僕にもできる」
カンボジアでそんな決意をして、日本に戻った僕は、知人にお願いして報告会を開いてもらっいました。報告会は大学の友人、NGO活動で知り合った知人など十名ほどが集まってくれました。

しかし結果は散々なものだったのです。緊張しすぎて、自分が何を話しているのか分からなくなってきます。話せば話すほど、言葉が上滑りしている感じがします。
しかも、カンボジアの歴史を紹介するためにNHKの特集番組を録画したものを放映したら、参加していた中学生には衝撃すぎたのか、途中で会場を出てしまう始末……。

「講演なんて簡単にできるさ」
中学、高校時代から大勢の人の前で話をする機会がたくさんあり、プレゼンテーションにはある程度の自信をもっていました。しかし、この最初の講演で、僕の小さな自信は粉々に砕けちっていきました。

だが、神様はまだ僕を試してくださっていたのです。二度目のチャンスが訪れます。お世話になっているNGOのミーティングで報告ができる機会がめぐってきたのです。

報告時間は約一時間。今回はきちんと伝わってほしいと思い、OHPシートに写真や図表を印刷して準備を整え、一睡もせずに会場へ向います。(このときにはパワーポイントなる便利なものがあることをよく知らなかったのです……)。

約30名の参加者。初めて会う人がほとんど。
前回の失敗が頭をかすめる。
大丈夫かな。
伝わるかな。
そんな心配で胸がつぶれそうになる。
ドクドクと心臓の音が速くなるのが自分でもよくわかる。
でも、僕は思った。
ここで負けちゃだめだ。
お前は「事実を伝えることだったら、自分にできる」と決めたんだろう。
逃げるな。

ミーティングに参加しているメンバーの自己紹介が終わり、いよいよ講演が始まります。
僕が見てきたカンボジアの様子、地雷問題について、地雷問題に取り組んできたダイアナ元イギリス皇太子妃、クリス・ムーン(地雷問題運動家。義足のランナー)やNGOの取り組みなどを夢中で話し続けたのです。


▼伝えることをあきらめない。講演は私たちの大切な「武器」

テラ・ルネッサンスの活動

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