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コラム「世界に魅せられて」第6回

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第6回:教養とは、人の気持ちがわかること

佐藤 慧さん

studioAFTERMODE 所属
フィールドエディター/ジャーナリスト

佐藤 慧


国際協力の現場に携わり、アフリカ、中米などで経験を積む。
世界を変えるのはシステムではなく人間の精神的な成長であると実感し、命の価値や愛を伝える手段としてのジャーナリズムに希望を託して活動を開始。
言葉を探しつつ、風に吹かれ、根無し草のように世界を漂いながら、国家、人種、宗教を超えて、 人と人との心の繋がりを探求し、それを伝えていく。

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ついに連載も最後を迎える。今までの連載では、初めて海外に出たこと、そこで得たことに触れながら、その後の東日本大地震の発生に伴い、リアルタイムに感じたことを綴らせて頂いた。
最後のコラムでは、「教養」について書いてみたいと思う。僕の所属する株式会社スタディオアフタモードには社訓があり、そのなかで「教養」について次のように書かれている。


「教養とは、人の気持ちがわかること」


いきなり突拍子もないことを言っているように聞こえるかもしれないが、様々なことを含んだ意味深い言葉であると僕は感じる。


人間は生まれ落ちて以来、この宇宙、世界という環境の中で日々学ぶ。赤ん坊はその五感を最大限に研ぎ澄まし、自分のいる世界の輪郭を描こうとする。目に映る色彩、鼻腔をくすぐる香り、鼓膜を揺らす響き、舌の先に感じる甘み、手の先に感じるあなたの温もり。
さらに人は先代の歴史、経験を学び、周囲の人々の影響を受け、より世界について自分なりの発見を繰り返していく。

世の中には様々な学問があり、すべての経験が人間の形成に寄与している。数学は宇宙を記述する言語の発見だった。歴史を学ぶことで、人は個々の生涯を超えた経験を紡ぎ、哲学や宗教は人がこの宇宙に生きる意味を見出そうとする試みだ。いくらでも連ねることが出来るが、ここでひとつ疑問が沸く。ひとはなぜ学ぶのだろうか?


一生涯に学べることはたかが知れている。ひとりの人間の知り得ることはこの宇宙の広大さにくらべたら浜砂の一粒にも満たない小さな小さなものなのだ。それでも人はその尽きぬ好奇心によって、未開の土地を開拓したい欲求に駆られる。僕はその欲求の根源に、「わたし」を知り、「あなた」を知りたいという想いがあるのではないかと考える。

いずれ死にゆくことを知りながら、それでも人間が強く生きていけるのは、「あなた」という大切な対象との関係性があるからだと僕は思う。「あなた」とは、具体的な誰かではなく、それは時に家族であったり、恋人や親友、尊敬する人々であったりする。さらには、遠く離れた見知らぬ人、未だ見ぬ未来の人間でさえ、人は自分と向かい合う対象、「あなた」として感じられる。より大きく世界を捉えたら、この命を育んでくれた故郷の大地、川のせせらぎや雄大な森、透き通る空の青さや暖かく力強い太陽、そのようなものでさえ、人は自分と向かい合う対象として捉えることが出来る。

あらゆる対象と密接に繋がる人間だが、しかし、人は人で在るが故、もっとも響き合う対象はやはり人間なのではないかと思う。人との出逢いなくして人生の開拓はあり得ない。共に歩む時、僅かにすれ違う時、人は互いに何かを学び合う。その瞬間にはわからないことも多い。しばらく経ってから、その時の出逢いの意味について想いを巡らすこともある。人が様々なことに興味を持ち、生涯をかけて学び続けるのは、そのひとつの理由として、不思議な人との縁(えにし)、巡りあわせ、そこに在る意味を知りたいと思うからではないだろうか。奇跡とも言える巡りあわせの中で出逢った人々、その人たちが一体どのような人間なのか、何に悲しみ、何に怒り、何に笑う人なのか。

「あなた」と自分を重ねあわせ、「あなた」の見る宇宙を感じたいと思う。その感受性が教養であり、それこそが人間の精神を成長させ続けていくものだと、僕は思っている。


留学に関するコラムで何を大仰なことを書き綴っているのかと言われるかもしれない。しかし人が未知の地平に足を踏み出したいと思うとき、そこには未だ見ぬ「あなた」との出逢い、縁(えにし)との巡りあわせを求めているのだ思う。

これから一歩を踏み出す人の、その道程がとても魅力的で、数々の冒険に満ちたものであることを願いながら筆を置きます。いつか「あなた」との出逢いが訪れることを楽しみに。


僕が今まで出逢った全ての人に、悲しみを、喜びを共有してくれる「あなた」に感謝を。このような素晴らしい連載の機会を下さった毎日留学ナビのみなさま、締切りに追われる僕の原稿を辛抱強く見守り、励ましてくださった高橋さま、本当にありがとうございます。




「あなた」との出逢いにはどんな意味があったのだろう。
ファインダー越しの「あなた」の笑顔に、自分がそこに在れた奇跡を想う。



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