グローバルキャリア塾 連載コラム

次世代教育 (第18回)

第18回:日本の若者は海外に行かないか

株式会社E-Concierge
代表取締役

斉藤 克明 (さいとう かつあき)

11981年より一貫して海外の初等・中等教育コンサルティングに携わる。1999年、中学・高校留学ガイドを出版。 2001年、日本人初のアメリカに本部を置くIECA(教育コンサルタント協会)のメンバーとなる。E-Concierge代表取締役、海外留学協議会副理事長。

株式会社E-Concierge

(2011年2月15日掲載)

土曜日にJAOS(海外留学協議会)認定留学カウンセラーのスクーリングがあり、
留学カウンセラーをこころざす人たちにメッセージを送らせていただきました。

2日にわたるスクーリングの講師を務める一橋大学国際戦略本部総括
ディレクターの服部まこと先生に日本だけでなくオーストラリアの若者も
外に出ない傾向があるという話をしたところ、
先生いわくイギリスでもそうだということなのですが、
「分母の考え方」が問題といわれた先生の言葉に私はハッとしました。

現在の日本の20歳人口は120万人ほどで、5-6年前の第2次ベビーブーマー時の140万人あまりと比較して2割弱の減少があり、
それに比例して海外に渡航する若者の数も減少しているというのです。
日本の若者の渡航先を国別に見てみると、アメリカだけが減少傾向にあり、
他の国は減っていないということも服部先生は仰っていました。

統計的に見ると納得できる先生の説明に私は、「若者内向き傾向」
に対する私たちの考え方の重要性をあらためて認識しました。
新聞やテレビで若者への街頭インタビューなどで
「海外には興味ありません」、「就職を考えると海外には出られません」などと
聞き、日本の将来を憂うコメントをアナウンサーが述べると、
「そうだ」と思いがちですが、統計を鑑みてみると、
ごく自然であることに落ち着きます。

おそらく、日本だけでなく人口が減少している国においては、
若者の内向き傾向はマスメディアが取り上げるには格好の素材なのかもしれません。
それをどのようにとらえるか、いよいよ私たち一人ひとりが
「自分スタンダード」を明確にする時代であると思います。

自分スタンダードが明確でないと、これからの教育を「世界で選ぶ」
ということは大変難しいと思います。

たとえば、服部先生によるとオーストラリアやニュージーランドの大学には
通訳、翻訳に関するマスターコースがあるとのことです。
日本の大学にはそのコースはありません。
コーネル大学にはホテルマネジメントという専攻があり、世界的に有名です。
世界の大学には即戦力となるような実践対応型のコースがたくさんあると思います。

グローバルな時代だからこそ、いつ、どこで、なにを、どのように学ぶかという
学習の根本が問われるのだと思います。
その考え方が初等、中等教育分野にまで下がってくるには、
今の日本の現状を考えると、とてつもない時間が必要なのかもしれません。

それでも私は自分の信じる「教育は世界で選ぶ」という信念を
追求したいと思います。

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