グローバルキャリア塾 連載コラム

次世代教育 (第29回)

第29回:使える英語

株式会社E-Concierge
代表取締役

斉藤 克明 (さいとう かつあき)

11981年より一貫して海外の初等・中等教育コンサルティングに携わる。1999年、中学・高校留学ガイドを出版。 2001年、日本人初のアメリカに本部を置くIECA(教育コンサルタント協会)のメンバーとなる。E-Concierge代表取締役、海外留学協議会副理事長。

株式会社E-Concierge

(2012年2月15日掲載)

留学生活一年目を迎えこれから二年目に入る生徒に英語を教えています。
教材は高校入試のための英文法ですが、遠方のため、スカイプを使っています。
私も教わっている生徒も日々いろいろな発見をします。

第一に使える英語を彼は生活の中ですでに習得しています。
日常で不便を感じることは特にないと思います。
SLEPテストが十点以上向上していることからもそれは明らかです。
英語知識がいかなるものであっても、一年の英語圏での自活は
そのような結果をもたらします。

相手の意思を理解し、自分の意思を伝える作業には、
言葉が最も有効な手段ですが、それがどのようなプロセスを経て、
10代半ばの子どもたちの頭に定着してゆくか・・・、
その根本に「必然性」があることは間違えない事実です。

おそらく、そこには文法は存在しません。幼児が言葉を習得する過程で、
まったく文法の学習をしないことからもそれは明らかです。
人間である以上、みな均等に言語習得はできるわけです。
「必然性」という環境を作りさえすれば、たとえ一か月間であっても、
生活に必要な言葉の順番を脳が認識して、広義の意味での学習を人は
するように初めからプログラムされているのではないかと思います。

さて、そのような彼に私は基礎文法を教えています。
なぜ教えているかというと、彼がそれを望むからです。
決して、私が強制したわけではありません。また、私がそのように導いた
というのもあたりません。

なぜ彼がそれを望んだのか、それは彼が「知識」が必要だと思ったからです。
それでは、なぜ彼は英語の知識を渇望したか、もちろん彼にその質問を
したわけではありません。しかし、彼は現在の英語力では
いずれ限界が来るということを直感的に認識したのだと思います。

日本語にはない、英語における時間の扱い方、動作主を常に中心に考える
英語的思考、語順が逆であるところの形容詞節の扱い、私が教えている
生徒はおそらく、中学校時代に英語に学習の必然性な微塵も
感じていなかったでしょう。ただ、試験があるから勉強し、
点数によって進学先が決まるので、「あの学校に行きたい」と漠然と
思うから勉強する。

私は、とても偉そうに彼に英文法を教えています。「これは覚えておけ」
とか、「こんなことは、覚えなくてもよい」など、かなり独断的です。
それでも、彼はついてくるどころか、土日でも学習を止めません。
今は、私がブースター役で、彼はスペースシャトルです。
いつまでも、ブースターをくっつけていられません。
だから、彼は必死なのだと思います。

彼の英語の勉強には無駄がありません。故に、
彼は使える英語を学んでいると思います。
二年目に突入するのに一カ月をきりました。この間にブースターの私としては
ぜひ、その役を全うしたいと思います。

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