グローバルキャリア塾 連載コラム

韓国雑記-異文化の海を泳ぐ (第9回)

第9回:未来へのパスポート

NPO法人日韓コミュニケーション協会
理事長

木村 妙子

1998年ナレーター時代、韓国のスタジオで収録の為初渡韓し韓国に一目惚れ。以来仕事で日本と韓国を頻繁に行き来する事となる。1999年初頭から独学で韓国語を学び始め、同年8月休業して高麗大語学堂に短期留学。2004年KLPT(世界韓国語認証試験)日本開始の際設立された検定協会に入社。以後運営に奔走し2008年KLPTを引取りNPO法人日韓コミュニケーション協会設立。

(2011年5月15日掲載)

試験の受付期間に大震災が起こり、計画停電や節電の為の公共交通手段の間引き、原発の問題、自粛等々、世の中の動向や人々の心情が変化する中、KLPTは先日4月24日に春季試験を無事に終了する事ができた。

前回のコラムに記した被災地エリアの学生たちも、どうやら無事に会場まで到着し受験が出来たようである事を欠席者情報で確認し、ホッと胸を撫で下ろして心からエールを送った。

未来へ羽ばたこうとしている人たち、そして多くの子供たちの為に、微力ながらも役に立つ事が自分の道であるという信念の元この試験を守ってきたので、若き英知が育っていく姿や前を向いて進もうとしている人達の姿に触れられる事は何よりの楽しみである。

KLPTの受験者は圧倒的に20代が多いが、ここ数年10代の受験者が増加傾向にあり、試験の度に最年少記録を更新している。昨年秋季試験の際に1999年生まれ(当時11歳)の受験者が最年少記録を更新してワクワクしていた所へ、今回の春季試験では2001年生まれでお誕生日を迎えていない僅か9歳の受験者が登場して記録を更新した。

と言っても、受験者の個人情報を詮索しているわけではなく、日本事務局では日本の受験者の年代・性別のデータ収集をしているので自ずと分かるのと、KLPTは願書に証明写真を貼付して申し込む為、幼くあどけない証明写真は誰の目に止まるのだ。

今回最年少記録を更新したのは大阪会場の受験者だったが、会場でも同様にそのあどけなくかわいらしい姿が周囲の目を引くわけで、KLPT大阪本会場としてご協力頂いている近畿大学の李教授が、試験終了後にとても感動したとお話しを寄せてくださった程である。

教授は、「あまりにも幼いので、試験の途中で飽きてしまったり、トイレに行きたくなったりするのではないか」と心配をしながら試験中ずっと見守って下さったそうだが、最後まで真剣な眼差しで試験に取り組み、ソワソワする事もなく終始落ち着いた様子で試験を終えた事を伝えて下さり、その姿を見ているだけで嬉しくなり、またとても感動したと仰っておられた。

そして、「本当に未来が楽しみですね」、「はい、本当に未来が楽しみです」としばらく先生と2人で感動に浸った。そう、本当に楽しみで、想像しただけでとても嬉しい気持ちになる。

日本の復興への道程はまだまだ遠く茨の道である事は間違いないが、政府が信用出来なかろうと頼りなかろうと、子供たちは現実に立ち向かって一歩一歩前に進み始めている。その大事な未来の為に、僅かな側面であるかもしれないが全力を尽くして、未来への希望のパスポートの役割でありたいと常に思っている。

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