世界人への一歩 (第3回)
第3回:模擬国連 ; 広くて小さい世界
横浜国立大学経営学部4年(連載当時)
シャリポヴ・ウミド
2005年、母国ウズベキスタンのウェストミンスター国際大学経営学部入学。2006年、国費留学生として東京学国語大学日本語教育センター入学。2007年、横浜国立大学経営学部入学。現在に至る。卒業後は外資系金融機関勤務予定。大学時代は、日本語スピーチコンテストで優勝したり、学生広報サポーターとして活動。2010年マレーシアでの国連主催グローバル模擬国連(GMUN)参加など、学内外で活躍中。将来は金融のプロフェショナルになり、金融の側面から母国をはじめとする途上国の企業や経済をサポートし、より豊かな社会作りに貢献したい。
(2011年1月5日掲載)
2010年8月14‐18日。マレーシアの首都であるクアラルンプールで国連主催の模擬国連Global Model United Nations 2010 (GMUN 2010)が開催されました。これが私の今までの人生の中、一番国際的で、一番楽しくて、一番勉強して暮らした5日間でした。
このイベントでは6つの大陸71カ国からの600人ほどの大学生が参加しました。異なる文化、宗教や考え方を持つ600人の人たちと5日間を一緒に過ごすのは私にとって忘れない経験となりました。特に、初日の夜のイベント「Global Village」で、約20カ国の学生たちがブースを開き、パフォーマンスをしながら自分の文化を紹介したことで、模擬国連は良い始まりを迎えました。
GMUN2010の2日目からは本格的な会議が始まり、それぞれの委員会で平和、安全、教育や文化などの課題で議論が始まったときの話し合いもまさに国際的でした。皆が一緒に議論し合ったり、話し合ったり、踊ったり、歌っている姿を見た私は生まれた土地や育てられた環境がどんなに違っていても、地球が一つで皆が同じ目的を持っていることを実感しました。「世界の国々が違うのに一緒」ということですよね!
大学である専門を勉強し続けると、人間の考え方がある方向に偏ってきますよね。私も母国の大学と日本の大学で合計役5年間に亘って経営学を勉強してきた結果、考え方も効率性や効果を重視するように偏ってきました。そのことを気づかされたのがGMUN2010でした。法律、国際関係、医学、語学、経営学、経済学などを勉強している学生たちが集まるとそれぞれ専門の考え方や特徴が混合し合い新しい発想が生まれるのです。専門のみならず、異なる文化の場合でも同様です。つまり、GMUN2010の特徴はこの多様性の極みであり、当模擬国連を楽しくしたのもこの多様性だと思います。
結論として、私は今まで三つのコラムで多様性が私をどう変えたか、異なる世界の刺激を受け私は何を得たかについて伝えようとしました。これから、世界がより小さくなり、国と国の間の距離が縮まっていくのに間違いはありません。つまり、グローバリゼーションです。グローバリゼーションの時代で成功するにはグローバル化しなければならないでしょう。つまり、世界の多様性に対する柔軟性が必要なのです。外国の人とインターネットでどんなに積極的に交流しても、本を読んでテレビで毎週日曜日イッテQを見ても、海外に行って現地の人と直接に話してみない限りこの柔軟性が得られないと思います。是非、グローバル化して下さい。これから、日本を始め世界の成長を支えるのがグローバル化を基にした世界の統一性であるからです。
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