スポーツ留学の魅力 (第2回)
第2回:He can speak Baseball!
アスリートブランドジャパン株式会社
代表取締役
根本 真吾
埼玉県春日部市生まれ。スポーツ留学専門会社アスリートブランドジャパン株式会社代表取締役。徳山大学スポーツマネジメントコース特任教授。前職ミズノ(株)日本本社、米国本社にて、米国野球用具担当。坪田名人とともに、アマチュアからメジャーまで、全米中の野球場を周る。現在は、スポーツ留学、スポーツビジネスの専門家としてスラムダンク奨学金の留学業務担当や野球留学支援にて、プロ野球選手やメジャーリーグ職員を誕生させるなど、若者に好きなスポーツを続ける機会を提供し、好きなことを強みとするキャリアデザインを支援・推進
著書に「アメリカでプロになる」(彩流社)「トップアスリートの勝つコトバ」(秀和システム)「迷ったときこそ、続けなさい」(坪田信義氏との共著)など。
(2010年8月15日掲載)
仕事柄、アメリカの学校でのトライアウトに、日本から選手を連れていくことが多いのですが、最初は、不審げに見ていたコーチが、選手のプレイを見て、大歓迎に態度を急変させたり、「こいつやるな」と思われてから、アメリカ人選手のほうからどんどん寄ってきて話しかけてくる、そういうシーンを何度も目の当たりにしました。
ある野球留学生を面倒見ているコーチに、その選手はちゃんとやっていけているか?英語でコミュニケーションとれているか?と尋ねたところ、彼は “Don’t worry, he can speak Baseball!”=大丈夫、ちゃんと野球語は話せている。との返答。
speak Baseballとは、野球用語という狭い意味でなく、野球そのものでコミュニケーションしているから大丈夫。という意味です。
時間と労力とそしてお金をつぎこんだ部活動は貯金のようなものです。あるいは、その貯金を引き出すカードのようなものに近いかもしれません。そのカードは、全く知らない土地に行くために必要なパスポ-トの役割をし、コミュニケーションをするための翻訳機の機能もついています。
部活動のような公式な活動だけではなく、非公式な活動でも同様なことがいえます。
僕の友人は、前職のスポーツの会社での同僚で、彼はとにかく野球が好きで、初めての海外出張で、全く英語も出来なかったのですが、野球の話で盛り上がり、現地のアメリカ人社員ととても仲良くなり、仲間を作っていき、今では海外出張要員となっています。
部活動を一生懸命した、何かにこだわった、情熱を注いだものがある人なら、パスポートつき翻訳機の海外で使えるそんな便利なカードを、自分でも気づかないうちに持っていると思います。
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