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グローバルキャリア塾 連載コラム

世界に魅せられて (第1回)

第1回:未知への旅立ち

認定NPO法人Dialogue for People 所属
フォトジャーナリスト/ライター

佐藤 慧

1982年岩手県生まれ。認定NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)フォトジャーナリスト、ライター。同団体の代表。世界を変えるのはシステムではなく人間の精神的な成長であると信じ、紛争、貧困の問題、人間の思想とその可能性を追う。言葉と写真を駆使し、国籍−人種−宗教を超えて、人と人との心の繋がりを探求する。アフリカや中東、東ティモールなどを取材。東日本大震災以降、継続的に被災地の取材も行っている。著書に『しあわせの牛乳』(ポプラ社)、同書で第二回児童文芸ノンフィクション文学賞など受賞。東京都在住。

◆WEBサイト https://d4p.world/
◆Twitter https://twitter.com/KeiSatoJapan

(2011年1月15日掲載)

今回から、6回に渡り僕の海外での体験を書かせていただくことになりました。

初めに簡単な自己紹介をさせて頂きますと、僕は現在、株式会社スタディオアフタモードというところに所属しているフィールドエディター/ジャーナリストです(※編集部注:掲載当時) フィールドエディターというのは僕が考えた肩書きで、既存のマスメディアの概念に囚われることなく、人間同士の交流を大切に、真摯な取材を続けていきたいという想いを込めて名付けたものです。

僕は今でこそアフリカを中心に、世界中どこへだって飛んでいくことを職業としていますが、まさか自分がそのようなことを生業とするようになるなどとは、思ってもみませんでした。考えて見ると、これまで海外で経験してきたことというものは、ことごとく僕の価値観を広げてくれました。

価値観というのは不思議なもので、その中にいると見えてこないものが、他の価値観を知ることで見えてくるものです。日本という価値観しか知らなかった僕は、海外という物差しを得ることによって、初めて深く日本について考えるようになりました。

初めて海外に出たのは21歳の時です。大阪の芸術大学で音楽を学んでいた僕は、ロックの本場、アメリカのライブハウスに対する強烈な憧れを抱いていました。英語もろくに喋れない中、友人のベーシストと共に勢いで航空券を買うと、LAに向けて飛び立ちました。今思うとなんとも無謀なのですが、一歩目というものには思い切りが必要なこともあるのです。

日本で培ってきた既成概念は、太平洋を越えた辺りから既に剥がれ落ちていきました。上空1万メートルから眺めるアメリカの大地は、途方もなく大きく、奇妙な茶色い大地はまるで他の惑星のようでした。日本の田舎に生まれ育ち、豊かな緑を駆け回っていた記憶からは想像も出来ない景色でした。

空港に降り立ち、街中へ向かう途中で目にした道路は、幅100メートルはあろうかという巨大なもの。日本では絶対に車検を通らないようなポンコツ車が時速140キロでハイウェイを飛ばしていました。ホテルのレストランで頼んだピザは途方もなく大きく、ジョッキで運ばれてきた水は、1リットルはあろうかという大きなものでした。(ちなみに生まれて初めてネイティブスピーカーに話した英語は、そのあまりに大きすぎるコップを指さして言った”Water?”でした)。チップの払い方もわからずにあたふたし、恥ずかしい思いをしたのを覚えています。

まったく頼りにならない日本語のガイドブックに載っていた地図を投げ捨て、現地の本屋で購入した地図を頼りに、日が暮れるまで通りを練り歩きました。日本の感覚で歩いていると、いつまでたっても目的地につかず、その広さに足を痛めてしまいます。まるで大きいことが誇りであるかのように、すべてのものが大きく、力強さを誇示していました。

初めて経験する多くのことに疲労困憊し、本来の目的地であったライブハウスでは立ったまま眠りに落ちそうなほどでした。白いリムジンから手を振ってくれたセレブ。夜のブロードウェイを徘徊するホームレスの母と娘。豪邸の建ち並ぶビバリーヒルズ。真夜中に迷子になった時に足を止めた教会から聞こえてきた力強いゴスペル。世界とは、なんと広いのだろう。自分の住んでいる世界とは、本当に小さな一部でしかないのだ。そんな衝撃を受けた21歳の秋でした。

この時から、世界への好奇心、未知の価値観の探求が始まったように思います。まさか数年後に自分がアメリカで働くことになるなんて、その時には想像も出来ませんでした。



ザンビアの田舎で出逢った少女の瞳は限りなく澄んでいた。
この時の一歩がなかったら、
僕はこの少女と出逢うことはなかったかもしれない。

 
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