文明発展と本当の豊かさ~地球最後の楽園」パプアニューギニアに学ぶ (第3回)
第3回:東日本大震災への援助
上岡 秀雄
1969年大阪市生まれ。神戸大学経済学部卒業。1995年青年海外協力隊員としてパプアニューギニアに赴任。2000年より現職。日本を始め、世界各国からの旅行者の受け入れ、TV撮影のコーディネートなどを行う。共著に「地球の歩き方―パプアニューギニア―地球の揺りかごを巡る旅」「パプアニューギニア―日本から見た南太平洋の宝島」。パプアニューギニア人の妻との間に1男1女
(2011年4月1日掲載)
始めに、東日本大震災で被災された方々には心より哀悼の意を表明させていただきます。
パプアニューギニアは金、石油、銅、ニッケル、LNG、木材、マグロなど、天然資源の豊かな国だが、政治家と政府高官、それに巣食う外国企業によって富の大半が持ち出され、これらの資源で得た金が人々の暮らしに還元されているとは言い難い。
見渡せば、診療所の無い村や校舎の無い学校が沢山ある。道路は整備されていないし、警察力の整備も遅れている。政府は批判されるたびに予算がない、として放ったらかしで、主としたインフラ整備は外国からの援助頼み。政治家は選挙前に少し金を注ぎ込んで選挙区でアピールをするだけで、選挙が終われば知らん振り。独立後35年を経てインフラは悪化の一途をたどるばかりだ。
そんな状況にもかかわらず、震災直後、パプアニューギニア政府は日本円にして約3億円の援助を決定した。
おいおい、自分の国民すら十分に養えていないのに、そんな余裕ないでしょう?
前述のように、パプアニューギニアの政府や政治家に対しては不満が山ほどあるが、「日本とパプアニューギニアはブラザーだから、困った時に助けるのは当たり前だろう」と、本当に払えるのか?と思わせる位の額をポンと拠出したその振る舞いにはジーンときた。
そして、政府だけではなく、人々も「少しでも役に立つなら」と、なけなしの収入の中から寄付を申し出る人が後を絶たない。メラネシアン・ホスピタリティ、ワントークシステム、色々な言い方があるが、家族・親族の絆を大切にし、相互扶助の精神が息づくパプアニューギニアでは「自分の家計が苦しくとも他人を助ける」、と言う事が日常行われる。
金額の多寡ではなく、その気持ちが素直に嬉しい。私も家族が被災した日本人の一人として、改めて、パプアニューギニアの人々にありがとう、と言いたい。
(今回は東日本大震災に絡み、急遽テーマを変更ました)
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