グローバルキャリア塾 連載コラム

One risk, one day (第5回)

第5回:ありのままの自分でいる大切さ

まなび株式会社
代表取締役

大塚 雅文

まなび株式会社代表取締役。「高いコミュニケーションスキル、クリエイティブなマインドを持つグローバル人材の育成」を目標に、英語によるDiscussionの行い方、Creativityトレーニングなどのワークショップを実施。ビジネスプロフェシュナル向けのプライベート英会話スクールも経営。
慶応大学経済学部卒業。大手都市銀行に入社。4年弱で退社。その後、米国バージニア大学 にてMBA取得(授業料全額免除の奨学金取得)。2002年、卒業と同時にまなび株式会社設立。
まなび株式会社HP : http://manabi.st/

まなび株式会社

(2011年3月1日掲載)

"The most modest and sensitive people are the most talented, having the most imagination and sympathy, these are the very first ones to get killed off. It is the brutal egotists that survive."
--Brenda Ueland

 

本の紹介

If you want to write (邦題:本当の自分を見つける文章術)" という本。てっきりWritingに関する本だと思って読んでいましたが、実はCreativityに関する本でもあり、この分野に関し昨年読んだ多くの本の中で最もinspirationを受けた本でした。

過去1年間読んだ本の中で文句なしのNo.1の本です。70年以上前に書かれた本にも係わらず、文章が非常に読みやすく、温かい。今後益々重要になってくるCreativityについて非常に考えさせられました。

冒頭の引用。意訳ですが、「内気で繊細な人にこそ大きな想像力や共感力が備わっている。しかし、こうした人たちは自己中心的な自信家によって真っ先にその才能が抹殺されてしまう」、激しく同意してしまいます。誰しも「お前そんなことも知らないのか」、「その考え、バカじゃないの」といわれたくありません。私は帰国子女で小学校がすっぽり抜けています。

帰ってきた当初等京都も大阪もどこにあるか分からない。「それってどういう意味?」「自分はこう思ってんだけど。。。」と深く考えずに言ってしまい、その度に「お前そんなことも知らないのか。」「なんだそれは。バカじゃないの。」と言われてしまう。それが恐くて何も聞けなくなっていた、考えを発信できなくなっていた時期がありました。そうなると折角持っている個性、 Creativityが抹殺されてしまいます。

「誰しもが個性、Creativityを持っています。しかし、ありのままの自分を見せないとそれが出てこないんだよ。」と著者のUeland氏は温かく包み込むように、いろいろな話を通じて角度を変え、懇切丁寧に語ってくれます。特に良い文章とは「他人に思われたい、こうあってほしいと思う自分ではなく、ありのままの正直な自分をシンプルに書くこと」といい、心に刺さる素晴らしい一般人が書いたWritingを沢山紹介しています。

例えば:

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Hurry! Hurry!

BY MISS LEE FRISBIE

Rushing thru the kitchen getting dinner, then the serving, waiting on fussy tots and the numerous little tasks that must be done. Then the dishes stacks of them, tidying up the kitchen, getting the tots off to dreamland then guess what the time may by. Only 9 after a hard day's work should have been thru an hour ago. Hurry! Hurry! When you hurry so fast you just can't hurry any more. I heard that word so much that it's boresome to hear it ever again.

I'd really like to walk down town someday and really mosey along at any rate of speed desired and hear the word ringing in my ears, "Idle, idle," instead of "Hurry, Hurry"-and even tho no cash to spend just go window shopping.

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これは恐らく当時の奴隷だった女性が書いた文章だと思われ、ありのままの姿をシンプルに正直に表現されており、私には非常にCreativeで多くのメッセージがこめられている文章に感じます。

Ueland氏は批評家を激しく批判しています。こうした人たちが本来であれば引き出してあげなければならない、人の個性、Creativityを殺していると。

本を読み終わり、「お前そんなことも知らないのか。」「その考え、バカじゃないの。」は褒め言葉として捉えるべきだと強く思いました。個性、 Creativityを出しているからこそ、いわれることであり、もし最近いわれていなかったら自分の個性、Creativityを自ら殺しているのではないか。逆にこのように言ってしまう、自己中心的な自信家(批評家)はそう言ってしまうが為に自分にプレッシャーがかかってしまい、個性、 Creativityを発揮できない可哀想な人達なのではないか。そのような強いマインドを持って行きたいと心から思わせる大変Inspireされた本でした。今後ますますグローバル競争にさらされる日本人に必要なマインドセットを70年以上前に出版された本が代弁しているというのは、非常に不思議に感じます。

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