違う言語を学ぶことによって違う自分が生まれる (第6回)
第6回:1年間365日走り続ける!大切な人を見つけるために、そしてその人を守るために!
サマコワ イバラット
2000年、キルギス民族大学東洋学部日本語学科に入学。第一言語として日本語、第二言語英語を選択。2005年、大阪外国語大学日本語日本文化教育センター入学。2006年千葉大学法経学部法学科入学。2010年同大学卒業。2010年春、中央アジア地域の観光・留学業務を行う旅行会社に勤務。2010年11月からは、(株)毎日エデュケーションに転職。2011年3月からはキルギスにて、NPO法人ジャポン・キルギス・ビリムディギ代表として活動。
「日本であまり知られていないシルクロードの中央アジア地域を積極的にアピールし、一人でも多くの日本人に中央アジアを知ってもらいたい。そして、キルギスと日本の架け橋になりたい」
【話せる言語】 キルギス語・ロシア語・日本語・英語
【将来の夢】 10ヶ国語を自由に話せる人間になりたい
(2010年12月15日掲載)
今年もいよいよ、残すところあと2週間となりました。
今この瞬間、私の心は「愛情」と「感謝」の気持ちでいっぱいです!1年中お世話になった方々に心の底から「ありがとう」を届けたいです!
今年は仕事でもプライベートでも本当に大きなターニングポイントの年になったと思います。
「家族から離れて異国にいるので私は自分にだけ頼りながら作戦たてて行かなければなりません」。これは私が今までずっと頭の中で強く意識しながら生活している考え方でした。そして、今年はその考え方が180度に変わった年でした。
2010年4月に私の母国キルギスの首都ビシュケク市で反政府暴動、さらに6月にキルギス南部民族衝突が起きて、何百人という人が死んでいくのを母国から6千キロも離れた日本から見ていた私の頭から冷水を浴びせ掛けられたように、ぞっとして、全身の血が凍り付くような恐怖に襲われたのを覚えています。「ひょっとしたら、これは内戦が始まったのではないか?!」と思ったら頭の中が真っ白になっていました。
そんなときに日本にいるキルギス人たちが在日本キルギス人協会として皆一緒になって、祖国で起きた悲しい事件に無関心でいられず、日本でキルギス問題を考える行動を起こしました。私は在日本キルギス人協会の代表に選ばれたので、自分が先頭に立ってアクションを起こし、どんなに忙しくても祖国にいる家族のために、友達のためにキルギスの人々のために日本で自分ができる事を精一杯やりたいと思いました。
もちろん、これはあくまでも自分の国を思いやるボランティア活動にしかないので、仕事と両立しながら続けていかなければいけません。「大変だろうけど、無理じゃない」と思って踏ん張るしかないと思ったのです。
6月28日に(株)毎日エデュケーションの協力でキルギスの現状を伝える報告会を開き、そこでキルギス南部民族衝突の犠牲者支援活動がスタートしました。最初は「絶対人もお金も集まらないよ!」という声が多かったのですが、5人でも10人でも来てくれたらいいと思って、「とにかくやりましょう」という思いで(株)毎日エデュケーションの高橋様に宣伝の協力をしてもらいながら、イベント企画に取り組んだのです。
結果は、60名以上の方々が集まって頂いて、これは(株)毎日エデュケーションとしては初めて会場がいっぱいになったという新記録だったそうです。そして、そのイベントのきっかけで私たちのキルギス南部犠牲者支援活動にたくさんの方々が寄付して頂き、おかげさまで集まった236,880円のお金をキルギス南部民族衝突で被害を受けた方がたを支援するために使わせていただきました。支援の詳細情報をでご覧下さいませ。
http://ameblo.jp/mainichi-education/day-20101214.html
今年は私一年中、とにかく走り続けました。途中で「何のために?」、「誰のために?」と悩みながら、「やっても意味がないよ!絶対自分のために役に立たないよ!時間の無駄だよ!」と言われながら、戸惑いながら、不安になりながら。それでも走り続けました。信じていたのは自分の心の底から聞こえる「頑張れ!」だけでした。
そうしているうちに、同じキルギス人の友達、日本人の友達も私と一緒に走り始めたのです。いろいろなイベント、報告会などで募金集めを続けて、いろいろな人に寄付して頂きました。寄付して頂いた日本の方々は心から思いやりを持って「キルギス」を支えて頂きました。そうして、私たちに勇気を与えてくれました。
そんな風に勇気と希望をもって必死に走っている時に、私は自分が勤めている会社を退職せざるを得ない状況になって、もうひとつ大きな壁にぶつかりました。
日本人ですら今仕事が見つからない厳しい今の時期に、外国人である私が仕事を失ってしまうと自分の生活がどうなってしまうか分からなくて不安でいっぱいでした。日本で新しい仕事を探すか、帰国してキルギスで働くかと迷う日が続きました。
そんなときに、自分の悩みを聞いてもらいたい、相談に乗ってもらいたい人が傍にいなくて私は「頼るのは自分しかいない!」と繰り返して自分に言い聞かせて、なんとかこの時期を自分で乗り越えようとしていたのです。
しかし、そんな壁を乗り越えられたのは結局「自分」ではなく、たくさんの友達や私を一生懸命支えてくれた方々のおかげでした! 幸い、6月28日にキルギス人協会のイベントを開いた(株)毎日エデュケーションで3ヶ月間試用期間を与えられ、新しい仕事を始められる機会を与えてもらうことができたのです。
こんな風に、人の繋がりで、人の思いやりで、そして自分の「頑張りたい!」という熱意だけでここまで具体的な達成感を実感できた私は本当に目が覚めたかのように全然違う自分、全然違う世界、全く新しい価値観と出会ったのです。「1年間365日ずっと走り続けていれば、きっとその努力を誰かが気づいてくれる、そして支えてくれる!自分が一人だといくら思っていてもきっと必要な時に周りの人が自分を守ってくれる、頼りになってくれる!」そう思うようになりました!
最後に、今年私が出会った一人の大切な友達について述べたいと思います。
宇都宮秀男さんです。彼はNatural Paradoxというサークルとして映像で人を感動させる活動をしています。私の今回のコラムの題名も宇都宮さんが作成した「Ground365」という映画からとった言葉です。
今年は私を支えてくれた皆さんに「感謝」です。新しい友達を作ってくれた出会いに「感謝」です。来年も365日間ずっと走り続けたいと思います。
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