2010年シェフィールド阿呆日記 (第1回)
第1回:初めに「志」あり。
ビジネスアドバイザー、ジャパンリンク
よしみ マクラウド
浅草生まれ。明治学院大学 (英文学科)及びシェフィールドハラム大学(芸術デザイン学科)卒業。シェフィールド大学経営修士。ロンドンのインペリアル・カレッジ金属学部の教授秘書、シェフィールド大学付属ジャパン・ビジネス・サービス、南ヨークシャー・インターナショナル・トレード・センターの日本担当、シェフィールド大学英語教育センターのマネジャーを経て、現在ジャパンリンクの名の下、翻訳、通訳、日英ビジネスサービスを提供。
(2010年2月15日掲載)
2010年という区切りのいい年は、何かこう糊付けしてピンとしたシーツのようなResolutionを決めて、頭に鉢巻を巻いた気分で、今年のページをめくりたい。そしてできれば1年だけでなく、向こう10年間のプランもだ。
昔、大学のMBAコースをやっとこさ修了したとき、先生から、10年後にどんな自分でありたいか、どんなことを成し遂げたいか、10項目ぐらい書き出してごらん、と云われた。
当時は、10年なんて、はるか遠すぎて、現実感が無かった。
今振り返ったらあれから何と13年が知らぬ間に流れていたのだ。
20年近く働いた大学を9月で辞めて、フリーランスになった。今まで6時半に起きて、8時半過ぎに大学に到着、5時まで仕事をして6時頃に帰宅という決まったパターンがくずれた。崩れたとたん、焦燥感が起きた。
いや、フリーになった今こそ、本当にやりたいことができるときだ。
(ところで、ジョージ3世が、男は6時間、女は7時間、8時間寝るのは阿呆と言ったというが、今の私は阿呆である。)
心理学、動物学、映画の翻訳なんかもやりたいな。夫に相談すると、ああ又か、と云う顔で「今までどれ一つ長続きしてないじゃないか」と批判する薄情さ。
お正月に日本に帰ると、一日、大学時代のクラブの仲間と会って、互いに密かに皺の数を確認する。
「今、こういう人が有名なのよ。テレビや雑誌に出てるの。あの人たちみたいに何か資格を取ってさ、本場仕込みを売り物に何かビジネスできたんじゃないの?」といわれる。
うーーーん。まったくその通り、知人にもそういう人がいる。カレッジでお花の免状を取って、帰国後仕事をしている。
サッカー好きの9歳になる甥に「大きくなったら何になるの、医者とか弁護士とかがいいんじゃないの」と私の願望を込めて尋ねる。
「そんなのなれっこない」と一蹴。
「でもね。目標持って、がんばれば出来るのよ。」と必死に発破をかける。
確か、「これだったら自分にも出来ると思うことをやり遂げても面白くない。困難なことに挑戦してこそ意義がある」と誰か有名人がいっていたな。
そうだ、まさしくそうだ。
シェフィールドの夜空を見上げると、しーんとして、散らばる星がきらきら輝いている。私は願いをかけるため、流れ星を待った。
(あれ、なあんだ、あれは夜間飛行のテールライトだ!)
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