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コラム「ニッポン人のさとり方」第26回

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第26回  ブエノスアイレスに帰ります:日本滞在の最終日

松岡 祐紀さん

株式会社ワンズワード
代表取締役、写真家

松岡 祐紀

19歳でスコットランドのエディンバラに留学。NYにてスタジオアシスタントを経験した後、ロンドンに在住。帰国後はフリーランス・フォトグラファーとして活躍。2009年にノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス氏の「ソーシャルビジネス」という理念に感銘を受け、株式会社ワンズワードを起業。レッスンの質の高さを売りにしたオンライン英会話スクール「ワンズワードオンライン」を立ち上げる。

2011年よりブエノスアイレスへ移住、さらに第三の故郷としてメキシコシティに居住。2014年3月に中南米・南米の英語学習者のためにスペイン語版ポルトガル語版英語版のオンライン英会話スクールを開設。現在は、ブエノスアイレス、メキシコシティ、日本を行き来して、ソーシャルビジネスの理念の普及と事業拡大を目指している。 >>詳しいプロフィールを読む

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明日、ブエノスアイレスへと帰る。
まさに「帰る」という感覚が近い。もはや、ブエノスアイレスには「行く」という気がしない。自分の生活の拠点がブエノスアイレスにあることをこの日本に滞在した5週間ばかりで実感した。

日本に来るまでは、日本食を死ぬほど食い尽くすことや友人に会えること楽しみにしていたが、自分が思っていた以上の感動はなかった。それは別に彼らが悪いわけではなく、お互いの人生において、自分たちはすでに「お客様」同士になってしまったのだろう。

一年に一回、日本には帰って来たいと思うが、今回のように5週間も滞在することはもうないと思う。それほどの必要性は感じないし、もっと違う国を旅したい。

僕が求めているのは、「新しい経験や自分よりもより刺激的な人生を送っている人との出会い」であり、それは日本で探すよりは海外で見つけたほうが早い。もちろん、日本でも素敵な人たちはたくさんいるので彼らとの出会いは大事にしたいが、生活のベースがすでに日本にはないので、今後は海外ベースでの出会いが自分の人生の中心を占めていくだろう。

またうんざりするようなスペイン語の勉強を始めないといけないが、きっとそう言いながらも、ブエノスアイレスの生活は気に入っている。30過ぎて、馬鹿げたことが出来る自分の人生の自由度の高さにも感謝している。

日本で買った新しいカメラを手に、今年は色々な国を旅するだろう。世界を旅することがすでに自分の生活の一部となっている。ブエノスアイレスと日本に拠点があるのは、旅を充実させるうえでとても有利だ。

日本の友人や知人にとって自分という存在が、世界をより近く感じさせるものでありたい。世界は何も恐ろしいところでもなんでもなく、知れば知るほど面白いところだ。けっして飽きることはない。自分の生活に飽きれば、そのときは潮時でいっそのこと住む国を変えればいい。そのような選択肢を持つことこそ、これからの人生においてはとても大切なことだ。

住む国を変えれば変えるほど、大抵の場合、生活環境は悪くなる。友人、知人を再構築し、仕事の問題は死活問題だ。そんなことをする人は、まさに酔狂な人間だろう。でも、そんな酔狂な人間もこの窮屈な社会に存在してもいいのではないだろうか。

世界を変えたいとか社会を変えたいとか微塵も思わない。ただ、自分の存在がほかの人の人生を少しでも明るくするものであればいい。そして、その過程を自分自身が思いっきり楽しみたい。自分を犠牲にする気持ちなど毛頭ない。

結局のところ、僕は自分勝手な人間だし、何よりもまずは自分のことを真っ先に優先させる。それで余力が余れば、人のことを考える。でも、最近は人のことを考えたり、彼らの人生にいかに変えていくかということに考え方がシフトしてきている。まあ、自分に飽きただけのことかもしれないけど。

自分にとって人生とは「壮大な実験」であり、その要素が複雑であればあるほど面白い。だから、好き好んで人の人生に介入し、その結果を見たいのだろう。自分がどうなるかなんて、ある程度予測がつくから、それよりは人のほうが気になったりするわけだ。

今後はますますそのスタンスが強まっていくかもしれないが、そのような色々な不確定要素が入り混じった実験場で自分がどれほど成長出来るかいうことが、最終的な結果に繋がってくると思っている。

そんなことを考えながら、僕の日本での今年の滞在は終わる。来年、戻ってくるときは自分自身、引いては周りの人々が今よりもより良い人生を送っていればと願っている。







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