グローバルキャリア塾 連載コラム

ニッポン人のさとり方 (第49回)

第49回 空港にて:明日の自分のためにできること

松岡 祐紀さん 株式会社ワンズワード
代表取締役、写真家

松岡 祐紀

19歳でスコットランドのエディンバラに留学。NYにてスタジオアシスタントを経験した後、ロンドンに在住。帰国後はフリーランス・フォトグラファーとして活躍。2009年にノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス氏の「ソーシャルビジネス」という理念に感銘を受け、株式会社ワンズワードを起業。レッスンの質の高さを売りにしたオンライン英会話スクール「ワンズワードオンライン」を立ち上げる。

2011年よりブエノスアイレスへ移住、さらに第三の故郷としてメキシコシティに居住。2014年3月に中南米・南米の英語学習者のためにスペイン語版ポルトガル語版英語版のオンライン英会話スクールを開設。現在は、ブエノスアイレス、メキシコシティ、日本を行き来して、ソーシャルビジネスの理念の普及と事業拡大を目指している。

個人ブログ: https://keepmyword.hatenablog.com/

株式会社ワンズワード

(2014年5月1日掲載)

また空港にいる。
この二週間で一体どれくらいの時間を空港で時間を過ごしたのだろうか。

成田で、香港で、マニラで、そして関西空港で・・・・そうしてまた成田の空港に舞い戻ってきた。

以前は空港で過ごす時間はとても特別な時間だったが、旅が日常となった今、ただの生活の一部となってしまった。

見知らぬ土地へのときめきも、飛行機に乗ることへの興奮もなくなり、そこにはある種の惰性しかない。旅すること自体がなんら特別なことではなくなったからだ。まだ見ぬ土地へと思いを馳せることはとても難しくなってしまった。

行きたいところがあれば、すぐにでも行けるし、気に入ればその土地に住むことが出来る。そんな夢の様な生活を手に入れると、不思議と自分に制限を課したくなり、頑なに今までブエノスアイレスに2年も滞在しスペイン語とタンゴに時間を費やし、今ではメキシコシティに滞在して、サルサにうつつを抜かしている。

そんな生活にも正直、飽きた。

こんなふらふらしている人間が言うのもなんだが、もっとふらふらしてもいいのではと思っている。

例えば、夏はイタリアで過ごし、冬はブエノスアイレスで、南半球の夏を満喫して、春は日本で桜を堪能して、日本の雨季が来る前にアジアで食を堪能して、それからメキシコのカンクーンでビーチ生活をするのももはや夢ではない。

もちろん、そのためには今まで以上に仕事をして、生活基盤を安定させないといけないが、そのような生活が夢見るものではなく、検討すべき現実的な事柄となったことはとても喜ばしいことだとは思う。たとえ、そのために出発前の旅のときめきや、見知らぬ土地への憧憬を犠牲にしても、手に入れるに値する生活ではないだろうか。

人は年を取るたびに自由が失われていくと思い込んでいるが、実際はその逆だと思う。
人は年を取るたびにどんどん自由になるべきだし、自由になっていないのであれば、人生になんらかのエラーが生じている。

人生の伴侶を得ようが、子供を授かろうが、その人の生活の自由には本来影響はない。
子供はどこでも育てられるし、生活はどこでも営むことが出来る。ただ、そのためによりいっそうの努力が必要とするが、それに値すると思えば、やればいい。

自分はそれほど誇りにできることもないし、何かをやり遂げたと自慢に出来ることも特にないが、ひとつだけ誇らしく思っていることはある。それはすべての出来事も受け入れ、あらゆることは自分の責任と割り切ることが出来ていることだ。

それほどの幸運に恵まれてもいないし、それほどの不運に見舞われてもいない。
ただそれでも、今まで起こったことはすべて受け止めているし、ある種の必然と思い、すべては自己責任のもとに処理をしている。

結局のところ、それが自分を成長させる鍵だと自覚しているからだ。
人生を突き詰めたところ、運がいい人間は成功するし、運が悪い人間は失敗するということに気付く。

つまりはそれだけのことだ。

それをすべて自己責任と割り切れるかどうかで、その人が次のステージへと進めるかどうか決まる。

そうして、自分はあらゆるリスクを負っても次のステージへと進むことしか興味がない人間だ。停滞は悪であり、退屈した生活を送るぐらいならば死んだ方がマシだと思っている。

経営者としての自分の可能性をもっと試したいと思っているし、旅人としても一流でありたいと思う。それに家庭人としても、思いやりのある人間でいたい。

何かを犠牲にして何かを得ようとは思わない。すべてを得るためにはいかに生活を送り、築くべきか、まずはそこから考えていきたい。

そうして、今よりももっと自由になり、開放的な人間でいたいと思う。

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