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コラム「ニッポン人のさとり方」第39回

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第39回  それでも世界は回る:グラナダにて

松岡 祐紀さん

株式会社ワンズワード
代表取締役、写真家

松岡 祐紀

19歳でスコットランドのエディンバラに留学。NYにてスタジオアシスタントを経験した後、ロンドンに在住。帰国後はフリーランス・フォトグラファーとして活躍。2009年にノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス氏の「ソーシャルビジネス」という理念に感銘を受け、株式会社ワンズワードを起業。レッスンの質の高さを売りにしたオンライン英会話スクール「ワンズワードオンライン」を立ち上げる。

2011年よりブエノスアイレスへ移住、さらに第三の故郷としてメキシコシティに居住。2014年3月に中南米・南米の英語学習者のためにスペイン語版ポルトガル語版英語版のオンライン英会話スクールを開設。現在は、ブエノスアイレス、メキシコシティ、日本を行き来して、ソーシャルビジネスの理念の普及と事業拡大を目指している。 >>詳しいプロフィールを読む

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グラナダには一週間近くいた。 なぜなら、そこにはタパスがあったから。

もちろん、タパスはスペイン全土にある。タパスとはスペイン料理の小皿を指すのだから、当たり前だ。 しかし、だ。


グラナダの空


グラナダのバルに入って、ビール一杯でも注文しようならば、タパスがもれなく一つ無料で付いて来るのだ。別にビールでもワインでもコーラでも付いて来る。

とあるバルに行ったら、昼にはパエリヤが付いて来ることがあった。 一体、この街はどうなっているのだろうか?


グラナダの4人の男


一杯、2ユーロ(260円)程度のものに、食べ物が無料で付いてしまうので、2杯程度飲めば、けっこう満足感が得られる。そして、スペイン人はそんなバルを何軒かはしごしながら、お腹を満たしていくのだ。


グラナダのカテドラル


そして、お昼休みは1時半から4時半となっており、良い感じで軽く飲んでから、シエスタ(昼寝)という神聖な儀式に彼らは興じる。それで経済が発展していたら問題なかっただろうが、スペイン経済の窮状は世界中がもうすでに知っていることである。

それでも彼らは飲み、語り、食べる。なにせ、それがここでは人生だからだ。


グラナダの路地


経済がちょっと、ほんのちょっとおかしくなっているのは彼らのせいではないのかもしれない。ほかの世界の人々がきっと働き過ぎなのだろう。みんなももっと食べて、飲んで、そしてシエスタをすれば、幸せになれるはずなのに、そうはしない。

グラナダはそんなスペインの良き文化を体現している場所だ。彼らの国自体がなんらかの経済危機に瀕しているなど微塵も感じなかった。むしろ、ここに永住したいとさえ思ったほど平和そのものだった。普段、住んでいるブエノスアイレスのような殺伐とした雰囲気はここにはなかった。彼らは人生を楽しみ、未来を信じ、何の不満もないように見えた。


グラナダの路地


僕らは余りに経済的合理性、効率などの言葉に踊らされているのではないだろうか? 別に飲み物にタパスが付いてきてもいいのではないだろうか?

結局のところ、人生はいかに楽しむかによって決まってくる。そういう観点から言うと、スペイン人は世界中の人々の一歩も二歩も先に行っているように思える。僕らが経済的合理性を持ちだして、批判するのはそもそもお門違いなのだ。

「人生、楽しければ、それでいい!」 そんなシンプルな人生哲学もありだなと思ったグラナダでの滞在だった。



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