気づいたらトリリンガルになっていました
第2回:トリリンガル留学のメリット・デメリット?
鈴木 俊良
大学卒業後、日系旅行会社に入社。ミャンマー支店の立ち上げに携わり3年間勤務。退職後、2017年、HOME Myanmar mm Co., Ltd.を設立。ミャンマー東北部シャン州インレー湖を拠点に旅作りやスタディツアーなどを行い、2019年からは地産地消をテーマにしたカフェ、Harvest Cafe & Dineを運営している。「旅」を通して、Win-Win-Winの関係を作ろうと模索中。
(2021年1月23日掲載)
ホームステイ先の中華系カナダ人の友人たちと
英語ができる=万国共通、ではなかった
こんにちは!第2回の記事では、トリリンガル留学のメリット・デメリットについてお話をしていきます。
2ヶ国語やってよかったと思うこと、やることでこういったマイナスなこともあったかもしれない、そんなことをご紹介していきます。私の留学遍歴については、第1回の記事をご覧ください。
まずは、メリット、よかったと思うことをお話します。
一番大きいのは、中国語ができたからコミュニケーションを取ることができる人たちがたくさんいた、そしてそのことに気づけたことです。
中国にいたときも、農村部などに足を運び、英語ができない中国人の方たちと会話をすることで、そのことは感じていましたが、英語留学で渡ったカナダで、より強く感じました。
英語ができる=世界中の人たちとコミュニケーションが取れる、と思っていたものの、コミュニケーションというものは、いろんなレベル、段階があります。
私はカナダにいる間、中国語ができたおかげで、その地に住む華僑、中華系の方たちと仲良くなることもでき、そこに集まる中国や台湾の留学生とも仲良くなることができました。
もちろん、英語で会話をすることも可能な人たちです。でも、母国語で会話をすることと非母国語で会話をすることは、やはり大きく異なります。
日本人の中にも脈々と流れているアイデンティティの根源には、日本語が大きく存在していると思います。
海外の方と日本語で話すと「この人日本のこと知ってる」という前提を、なんとなく想いながら、ある種の安心感を持って会話ができると思います。
もし英語ではなく、その国の人たちと彼らの母国語で会話ができると、そういった感情で接してもらえるのです。
これは、英語ではなく、もう一言語を習得する大きなメリット、意義であると思います。
ビジネスの場面においても、世界の共通言語は英語かもしれませんが、中国人と商売するのであれば中国語、韓国人と商売するのであれば韓国語、ロシア人と商売するのであればロシア語ができたほうが、きっと物事がスムーズに進むことがあるでしょう。
海外で暮らす楽しさを2ヶ国で味わえる
メリットの2つ目は、シンプルなことですが、いろんな場所に住んでみることが単純に楽しかった、ということです。
旅行でどこかの国に行くことと、そこで生活することは、大きく異なります。旅行だったら楽しかったのに、住んでみるとあまり好きではなくなった、なんてこともあるかもしれません。
私は、好奇心が強く、住んでみないとわからないこと、その発見がとても面白いと感じる性格だからか、留学経験を経て、旅行よりも暮らすことのほうが好きになりました。
中国では、日々起こるハプニングやタクシー運転手さんとの闘い、人情味深い街の人たちなど、中国の面白さを味わうことができ、カナダでは、多様な人種、背景の人たちが集まってできている文化であったり、整備されている街など、中国とはまた違う面白さを味わうことができました。
今現在仕事はミャンマーを拠点にしていますが、ミャンマーもまたミャンマーの面白さがあります。
これはまた第3,4回で書きますが、暮らす場所によって、そこで出会える人たちも異なることも、とても面白いと感じています。
トリリンガル留学の経験があったから、いろんな国に住んでみたい、と思えるようになりました。
中国雲南省にて。大学構内を通る線路、そしてそこを歩く学生たち
2ヶ国語目は、習得スピードがあがる
メリットの3つ目。
これはメリットと言えるのかはわかりませんが、2ヶ国語目を習得しようとすると、圧倒的に学習要領がよくなります。
おそらく日本語+もう一言語の学習経験があるため、自分の中で学習方法が確立されていて、効率よく勉強を進められます。
例えば、頑張って頑張って、英語が上達したとします。もう一言語なんて無理だよ、と感じるかもしれませんが、英語学習に効果的だったことを片っ端からやればいいだけです。
もちろん、大変は大変です。私の場合は、正直中国語よりも英語のほうが難しく感じましたが、それでも、半年続ければある程度いける、という自信を持って勉強することができました。
継続できないと中途半端になる
では、デメリットは何でしょうか?
1つは、2ヶ国語習得しようとすると、1ヶ国語にかけられる時間がどうしても短くなり、自ら勉強をし続けなければ2ヶ国語ともに中途半端になってしまう可能性はあります。
ただ、言語なんてものは、継続しなければ忘れていくのは当たり前の話ですし、半年で身に付くレベルと1年で身に付くレベルも、どっちも知れたものです。ネイティブレベルになれるわけではありません。つまり、半年にしろ1年留学にしろ、いずれにしても継続する必要があります。
私自身、メリットとデメリットについて、振り返って考えてみましたが、メリットのほうが圧倒的に多く、デメリットはあまり思い浮かびませんでした。
第3回は、中国での留学生活について書いていきます。
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