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Dr. Kの環境と化学 -豪州大学教育の現場から- (第2回)

第2回:環境と化学

モナッシュ大学 化学科 グリーンケミストリー研究所
レクチュラー(准教授)

齋藤 敬 (さいとう けい)

1976年生まれ。早稲田大学 理工学研究科 応用化学専攻 博士課程修了 (工学博士)。日本で博士取得後、アメリカ、マサチューセッツ州で新しい学問であるグリーンケミストリー(環境に優しい化学)を創始者のもとで学び、2007年8月から現職。

モナッシュ大学

(2009年8月15日掲載)

今回は豪州での教育から離れ、自分の専門について紹介したいと思います。

地球温暖化を含め、近年環境問題に興味が寄せられています。科学の中の化学を専門にする化学者は、如何に環境問題に取り組めば良いのでしょうか?

化学者とは簡単に言うと、化学物質および化学製品を作る人の事です。化学製品とは解り易い例を挙げれば、薬、プラスチック等ですが、普段着ている服、住んでいる家、携帯電話やパソコン等の最新機器等、日常生活に欠かせないほとんどの物に、化学物質は使われています。化学物質全てが悪と言う考えは間違っているのですが(これについてはまたお話するとして)、化学物質が環境に与える影響は無視できません。特に正確な知識を得てなければ、化学物質が環境を破壊していると考えても致し方ない事だと思います。実際化学物質が環境を汚染した例は幾つもあります。僕らが科学技術によって受けてきた負の恩恵と言えるでしょう。

化学物質による環境汚染が解明されるにつれ、それに対してどのように取り組めは良いか、色んなアプローチが試まれてきした。それにより近年、製品が如何に安全で、環境を汚さないかが消費者にも生産者にも重要な要因になってきています。薬も毒性の少ないものが、プラスチックも環境を汚さない物が、電気製品もリサイクルできる物が開発されてきています。つまり製品の環境負荷が少ない事が求められています。

しかし果たして、それだけで本当に良いのでしょうか?

確かに市場に出回っている製品は、環境負荷の少ない物になってきています。しかし、皆さんはそれらの製品がどのように作られているか知っていますか?環境に良い物を作るために、
どれだけの化学物質、エネルギーが使われているか知っていますか?

嘗てある生分解性プラスチックは、それを1kg生産するのに2kg以上の石油物質を使っていました。確かにできた生分解性プラスチック自体は環境に良いのですが、それを作る工程に大量の石油由来のエネルギーを使い、それ実体はまったくと言って良いほど環境に良いものでは無かった訳です。しかし、当然の事ながら消費者にはそんな事は分かりません。生分解性プラスチック=環境に良いと思ってしまうからです。その間違いを指摘できるのは、専門的な知識を持っている化学者達、グリーンケミスト達なのです。近年は化学者による研究、改良が進み生分解性プラスチックも本当に環境に良いものになりました。

本当に環境に良い製品を作ろうとした場合、大事なのは原料、工程に毒性のある化学物質を使わない事、できる限り自然界由来の物質を使う事、エネルギーの使用もできる限り抑える事、廃棄物を出さない事、リサイクルシステムを前提に考える事等が必要になってきます。それらを専門に勉強、研究しているのが自分の専門、「環境に優しい化学」「汚染防止につながる新しい化学」と言い換えられるグリーンケミストリーなのです。

つまり日夜皆さんが使っている製品を、本当に環境に良く作るためにどうすれば良いのか日々研究しているのです。化学者だからこそできる環境への取り組み方もある事を知って頂ければ幸いです。

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