Dr. Kの環境と化学 -豪州大学教育の現場から- (第6回)
第6回:オーストラリアでの教育
モナッシュ大学 化学科 グリーンケミストリー研究所
レクチュラー(准教授)
齋藤 敬 (さいとう けい)
1976年生まれ。早稲田大学 理工学研究科 応用化学専攻 博士課程修了 (工学博士)。日本で博士取得後、アメリカ、マサチューセッツ州で新しい学問であるグリーンケミストリー(環境に優しい化学)を創始者のもとで学び、2007年8月から現職。
(2010年3月15日掲載)
オーストラリアでの教育についてお話したいと思います。
オーストラリアは州政府が教育制度を管轄しているので、州によって教育制度が異なります。しかし、州ごとに多少違いはあるものの、義務教育が10年間(日本の小学1年~高校1年まで)というのは各州共通です。
当方が住んでいるメルボルン、ビクトリア州の話をしますと、まずYear1と言われる小学校1年生からYear6(小学校6年生)まではプライマリースクールという初等教育校に通い、その後Year6からYear10までセカンダリースクールという中等教育校に通います。その後、高等教育である大学、TAFE(職業訓練専門学校)に進学する場合は、進学準備としてYear11、12とさらに2年間セカンダリースクールに通うことになります。また学期が南半球のため特殊で、1月が夏休みのため、2月始まりの12月終わりとなります。
高等教育の話をしますと、日本は学歴社会と言いますが、世界、特にオーストラリアは資格社会です。どの大学を卒業したのかだけでなく、どのような学位か、資格を持っているかが大きく問われます。
TAFEでは技術や技能の修得を証明するCertificate、さらに進んだ理論も学習したことを証明するDiploma、大学では学士にあたるBachelor、さらに一年間の経験を積んだ事を証明するBachelor’s Degree with Honours、大学院ではGraduate Certificate、Graduate Diploma、そして日本の修士にあたるMaster、博士にあたるDoctoralを所得できます。
専門的な学問をより深く学びたい学生はとことん勉強できるシステムです。また所得している学位により、その人がどこまでの専門家か明確に解るようになっています。そしてこれら学位が、色んな学問において所得できます。
日本の総合大学では支流の学位ではない、例えば、ホスピタリティー、観光学、写真、ジャーナリズムの学位もこちらの大学では学問として総合的に学習し、学位を所得する事ができます。変わったところでは、サーカスの学位なんていうのもあります。
またオーストラリアの大学は世界的にも認められている大学が多く、そこで所得した学位は、世界で通用するという強みもあります。悲しいことですが、なかなか日本の大学は世界で知られていないのが現状です。頑張って頂きたいものです。
さらにこちらの大学はダブルディグリーという仕組みがあり、4年間の学習で二つの学位を取る事もできます。授業が多くて大変ですが、その分二つの学位を持つ事ができるため、複数の学問に興味のある学生に人気です。
教育システムは各国において違うのが当たり前で、どれも一長一短ですが、オーストラリアのシステムが良いという日本の学生は沢山いると思います。教育大国オーストラリアで、学んでみませんか?
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