写真に込める一瞬のエネルギー (第2回)
第2回:「毎日、あなたのために祈ります」
認定NPO法人Dialogue for People 所属
フォトジャーナリスト
安田 菜津紀
1987年神奈川県生まれ。認定NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)フォトジャーナリスト。同団体の副代表。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-』(日本写真企画)、他。上智大学卒。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。
◆WEBサイト https://d4p.world/
◆Twitter https://twitter.com/NatsukiYasuda
(2011年4月1日掲載)
※まずは東北地方太平洋沖地震で亡くなられた方のご冥福、そして被災者の方々のご無事を心よりお祈り申し上げます。今回のコラムでは当初の予定を変更し、3月11日からのことをこちらに書かせていただきます。
3月11日。私は前日にフィリピン・マニラ入りし、その日は首都から北に3時間ほど走ったサンバレス州にいました。焼けるような太陽が午後の街を照りつけ、つい機能までいた冬の終わりきらない日本の風景が遠い存在にさえ感じられました。
それは日本からの一本の電話から始まりました。「東北で大きな地震があったようです。まだ詳細はわからないのですが、お知らせしておこうと思いまして」。最初の知らせはとても穏やかな口調でした。けれどその後、信じられないようなニュースが次々と入ってきたのです。そして同じ団体所属のジャーナリスト、佐藤慧のご両親が、陸前高田で被災したことも。
3月12日、地震が起きた翌日。フィリピンにも1メートルの津波が到達していたことを知りました。大地震、津波、そして原発のニュースはたちまちフィリピンに広がり、新聞の一面は陸前高田、原発事故現場、仙台と、皆被災地の写真でした。東北はたくさんのフィリピン人が、日本の男性と結婚し、暮らしている地域でもあります。日本の被災地の現状を伝えると同時に、『1,300人のフィリピン人の安否不明』という文字が各誌に並んでいました。募る不安と焦り。
そんな中でもフィリピン人の方々から、たくさんの励ましの声を頂きました。その場で目を閉じて祈りを捧げてくれた運転手さん、メッセージカードをくれた青年たち。なんとゴミ集積場近くのスラム街でも募金活動が始まり、一日に1000ペソ(約2000円)が集まったという報告もありました。
フィリピン国内だけではありません。遠く離れたウガンダから、一番お世話になったレーガン一家が電話をくれました。一家の大黒柱を亡くし、お母さんそして13歳の息子のレーガン自身もHIVによって苦しんできた一家。きっと近所の人からお金を借りてかけてきてくれたのでしょう。イラクからは、治安の悪い地域の一つであるモスルからも、友人が電話をくれました。「毎日あなたのために祈ります」と。自分自身も、とても大変な状況にいながら。
そんなイラクの友人たちが、難民となって隣国に逃れたときにくれた言葉を思い出します。「月のない夜には、明かりを灯せばいい。明かりがなければ、蝋燭に火をつければいい。蝋燭がなければ、暗闇に目が慣れるまで耐えればいい。やがて、太陽が昇り、光に包まれるだろう」。希望を失わず、前に進もうとする彼らの意思でした。
私たちアフタモードも中心となり、NPO「みんつな」という団体を立ち上げました。佐藤を中心に取材、ニーズ調査を進め、長期的な支援のための活動をしていきます。
一日も早い復興のために、私たちも動いていきます。
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