在米カウンセラーのメッセージ「留学は修行!」 (第4回)
第4回:留学バージョン2 ~ 自己主張の意味を履き違えないこと
(2010年4月1日掲載)
留学バージョン尺度の続きです。次の例で自己主張といえるものはどれでしょうか?
- 宿題をしなかったのに、『コンピューターが壊れて』などと言い訳をして、次の日まで期日を延ばしてもらった。
- ホストファミリーと問題があるのだが、直接ホストと話すのは嫌なので、アドバイザーや日本の留学会社に文句を言って何とかしてもらった。
- 不当な成績をつけられたので先生に文句を言ったら、『君はディスカッションに参加しないから』と言われた。差別されたと思い学生部に苦情を言ってクラスを替えてもらった。
正解はどれも自己主張ではありません。これらはゴリ押しです。
しかし、「自分の意志を通すこと」が自己主張だと思っている日本人留学生が増えているのです。驚くのは、彼らの日本の保護者も同じような態度であることです。「日本の学校では出席率が悪くてもなんとかしてくれた。アメリカの学校も何とかならないか」「息子は今のコミュニティーカレッジは先生が悪いから学校に行きたがらないが、ハーバード大学に入れたら学校に行くと言っている。どうすればいい」「娘は入学願書の受付締切日をミスったようだが、どうしてもその学校に入れなれば死ぬと言ってる、なんとかしてくれ」などです。
このような日本人がしているのは、自分の行動は棚に上げ、ゴリ押しすれば何とか欲しいものは手に入るのだという考え方です。学校という場では、学生はお客さんなので、無理を言えばお客様扱いしてもらえるかも知れませんが、社会に出たら、誰がお客様扱いしてくれるのでしょうか。結局は自分の行動が結果を生むのであり、いくら文句やクレームが上手でも、それで手に入る結果は知れています。本人の努力を伴わない卒業証書や学位は持っていても使い物にはなりません。
では、本当の自己主張とは何でしょうか?
自己主張は問題解決の一部として行われるものです。
問題が発生したら、まず、「何が問題か」を認識するのが第一ステップ。
第二ステップは、それを解決するいくつかの方法を考えます。
そして、次に問題が起こっている相手と「直接」交渉するのが第三のステップです。その時に「自分は、この問題でこういう思いをしている。これを解決するには、こうすればいいと思う」というふうに、問題定義と解決策まで提示するのが本当の自己主張です。
第四のステップは、相手側の意見や解決策を聞くこと、つまり、相手にも自己主張の機会を与えるのです。
そして、第五が、両者にとって妥協できる案を考えだし解決するという最終ステップです。
以上の段階には、自分を知る、相手を知る、両者にとっての最善策を考え話し合う、という要素が含まれています。それと比較すると、上記の例の日本人がしているのは、問題定義だけが自己主張だと思い、「これが問題だ、何とかしてくれ」と第三者に解決を委ねるか、解決策を提示しても、非常に一方的なものです。
国際社会で尊敬される人間は、公平な自己主張ができる人です。そのためには、まず、自分の行動が尊敬されるべきものであること、客観的な見方ができ、いろいろな角度から問題解決の方法が考えられること、そして、直接相手と話せる交渉力があることです。
将来日本を背負っていく留学生、その保護者の方々には、「語学力や学位」などだけではなく、精神力の強化や人間としての成長を留学にも求めて欲しいと思います。そういう意味でも、留学は修行なのです。
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