グローバルキャリア塾 連載コラム

在米カウンセラーのメッセージ「留学は修行!」 (第8回)

第8回:うつの学生のカウンセリング例:その2

サクセス・アブロード・カウンセリング
代表

角谷紀誉子

神戸出身、県立神戸高校、武庫川女子大学薬学部、ニューヨーク・ハンターカレッジ・ソーシャルワーク修士課程終了、米国ワシントン州認定臨床ソーシャルワーカー、サクセス・アブロード・カウンセリング代表

サクセス・アブロード・カウンセリング

(2010年9月1日掲載)

前回に続いて、うつの治療の段階です。まず、「こんなに辛かった」という心の膿(うみ)を出す作業が第一段階です。ケガの膿と同じで、膿は出してもまた次の日にたまっています。でもまた出して消毒してという作業を続けると、いつか膿はなくなりかさぶたとなり、ケガはきれいに直るのです。心の膿がなくなるまで、辛かった時代の話をしてもらいます。

第二段階は「自信を得る」作業です。いじめられて、留学先でも不登校になった人は、情けない自分だけを見ているので自信をなくしています。しかし、いじめられたのに、一念発起して留学してきたことだけを見ても向上心がある証拠、カウンセリングに来るのも勇気がいることです。
このように、これまで自分が達成したこと、ほめられたこと、自分なりによくできたと思えたことを、ひとつずつ詳しく思い出してもらいます。自分の人生がいじめだけで成り立っているのではないこと、自分を認めてくれた人も、自分ができたこともたくさんあるはずなのに、これまでは、そういうポジティブなことには目が行かなかっただけです。それを、「自分の長所」に焦点を当て、それを受け入れることで自信は戻ってくるのです。

第三段階は、いじめによって「自分はどこに行ってもいじめられる」「人は信用できない」といった、ねじれてしまったモノの考え方を直す作業です。実際の日常の問題を使って、こう考えればこう行動する、でも違うように考えるとこういう行動になる、というように「なりたい自分ならどう考え、どう行動するか」と新しいやり方を身に着けるのです。

第四段階は、「人との対話の練習」です。いじめられた人は、人にどう思われるかを極端に気にするあまり、自分の話をしないものです。いい人と思われたいばっかりに、人に合わせ、人の顔色をうかがい、というパターンになりがちです。いろいろな設定でモノの言い方の練習をします。今まで言ったことのないような意見や反論を言葉にし、実際に口にすることで、「なりたい自分でいること」に少しずつ慣れていくわけです。

以上の段階を経ると、学生の顔の表情も態度も変わります。つきものが取れたような表情になったり、不信感で人を見ていた目が真っ直ぐに人を見れるようになったり、声に力強さが出たり、笑顔が増えます。もっと素晴らしいのは、学校に行く気力が戻り、自分の将来に希望が持て、自分のために生きれるようになることです。彼らにとっての留学は、長年のうつの克服という意味もあったわけです。

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