グローバルキャリア塾 連載コラム

勝ち組の法則~中国で稼げ!ガラパゴスJapanからの脱却~ (第2回)

第2回:敵か味方か

株式会社WEIC
代表取締役社長

内山 雄輝

静岡県出身。早稲田大学卒業後、早稲田大学発ベンチャー企業(株)WEICを設立。中国語eラーニングシステムを開発提供。2008年に上海現地法人を設立し、中国人向け日本語eラーニングの提供及び中国進出コンサルティング事業を展開。MIJS(http://www.mijs.jp/)海外展開委員会副委員長、日本人初の中国成都市ソフトウェア協会顧問を務め、事業家と日中IT業界コネクターの両面で活躍中。

(2010年3月15日掲載)

私が初めて上海に行ったのは、2004年12月、比較的遅いチャイナデビューでした。当時北京に数日滞在した後上海に行ったのですが、北京と上海の雰囲気に違いに圧倒されたのを今でも覚えています。

北京は今の中国、上海は未来の中国と形容されるように今でも両都市には大きな違いが見られます。政治の都市北京と商業の都市上海というと理解しやすいかもしれません。

私は中国で、今まで法人を2つ作りました。2007年に駐在員事務所を設立し、2008年に外形投資企業(現地合弁企業)を作りました。駐在員事務所の方はそんなにお金がかかりませんでしたが、現地法人には今まで数千万円かけました。自分で実際に色々やってみて、成功もあり失敗もあり反省もあり、とにかくいい経験をしています。

皆さんにとって一番参考になるのは、働くということにおいての中国人との接し方、考え方かもしれません。私も大変勉強になったので皆さんと共有したいと思います。

私は以前、「中国人は日本人と顔も同じだし、言葉も感じだし性格も実際は基本的に似ている」と言っていたことがありますが、これは仕事をするということにおいては全く違うということを理解しました。

その時は、私が唯、中国人ともっと仲良くなりたいからという理由で、中国人のことを綺麗すぎる色眼鏡で見ていたからこのような表現になってしまったのかもしれません。多分、これから中国での留学、就職を目指す方々はこの色眼鏡を誰でも購入してしまいがちです。中国で生活するに当たり冷静に、客観的に、真実と、自分の利益を考えながら、適切な判断ができることが重要になってくると思います。

基本的に、中国人と日本人は99%違います。似ているのはアジア人ということだけでしょう。ですので、中国で中国人と順応するためには相当の変革が自分に求められるということをまず認識すべきでしょう。

何が違うのか、大元を端的に述べると、空間を認知する方式が日本人と中国人で違うのです。言語学の中に、情報の縄張り理論というものがあります。面白い理論なので、ちょっと難しいですが、説明しますね。これを知っておくと、中国人と仲良くなれます。この理論は、人間が「もの」を認知する空間範囲が各言語体系によって異なるという理論です。言語は文化なので、文化=国の考え方の特性が、人間の空間認知概念に依存しているということなのです。

日本人の場合、「私」「あなた」「その他の人」という空間概念で物事を認識し社会を作っています。これが中国人の場合は、「私」「その他の人」という空間概念で物事を認知し社会を作っています。日本人の場合、「その他の人」という第三者の空間概念が存在するのですが、中国人の場合それがなく、「その他の人」の空間概念に第三者の存在が含まれてしまうわけです。

ということは、大げさに言うと、中庸に立つ第三者の存在の空間概念が中国人にはないということ、つまり中国人にとっての空間概念は自分の縄張りに入る「家族」か、入らない「敵」かということなんですね。だから、自分の縄張りに入れば、家族のように大切にするけれども、入らなければ「知らないよ」となってしまうわけです。

中国を少しだけ知っている日本人がよく「中国人に騙された」といいます。実際に騙されるということがあるのも事実ですが、実は日本人が中国人を知らなさすぎることが一番大きな原因です。基本的に、私たち日本人は、情報の縄張り理論から考えると、中国に降り立った瞬間から、中国人の敵です。我々日本人が中国人とうまくやれるかどうかは、中国人に自分たちの仲間だと認知してもらうことです。彼らの縄張りに入ることなのです。中国では、生活においてもビジネスにおいても、まず中国人の家族の一員になれるかどうかが中国での生活をエンジョイするひとつのポイントとなります。

少なくとも私は、縄張りに入れてもらった中国人から騙されたことはありません。騙されるどころか本当の家族と同じように大切にしてくれることを経験しています。

我々は、中国人と仲良くするためには、「努力」しないといけません。まず「言葉を習得する努力」が戦場におかれた日本人にできる最初の戦闘でしょう。

ひとつの基準として、中国人から「あなたはここがだめだ」と真剣に言ってもらったことがある人は、中国人に認められた人かもしれません。おいしい料理をいつも笑顔でご馳走してくれる中国人はあなたの真の友達ではないかもしれませんよ。

次回は、地方と沿岸の考え方の違いについて述べることにしましょう。

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