グローバルキャリア塾 連載コラム

外国人留学生のための就職応援コラム ~ 日本で働くのもいいかも (第4回)

第4回:グローバル企業を目指す企業の採用担当者の方へ②

扶桑法務事務所
代表

丹 勇貴 (たん ゆたか)

扶桑法務事務所代表。政府系法人・商社・外資系企業・教育コンサルティング会社などでの勤務経験、レストラン経営など、波乱万丈の職務経歴を経て現在に至る。マイナビ2012にも登場中。著書「就職は自分の売りで勝負しろ」
扶桑法務事務所 : http://www.fhmjac.com/

(2011年3月1日掲載)

日本に留学している外国人留学生の多くは、日本人学生に比べて、明確な目的意識(キャリアビジョン)を持って学生生活を送っている。彼らには日本人にありがちな横並びの意識はなく、早く自分の思うとおりに昇進して、より高い給与を手にしたいという上昇志向が強い。そして、多くの場合、この上昇志向に比例して、プライドも高い。

日本に留学している外国人の大半は、日本で就職し、目一杯働き、キャリアを積んだら、いずれは母国に帰って、その経験をさらなるキャリアアップに活かすつもりでいる。それゆえに、彼らの成長は一般的な日本人よりも数倍速い。

優秀な外国人留学生を採用したいと考えている日本企業は、彼らのこのような特性を認識・理解した上で、自社に合った「準即戦力」として採用活動を行うべきであろう。もともと自らがドッグイヤー並みの成長を遂げることを希望して日本に留学してきた外国人を、子供の頃からずっと横並び的な教育を受けてきた日本人に対するのと同じような方法で採用し、育成しようとするのは、無理があると言わざるを得ない。

もし、全世界的にはそれほど知名度の高くない日本企業が、優秀な外国人留学生を「一本釣り」したいと考えるのならば、以下のような事柄を前面に押し出し、採用活動を行うべきだ。

 

1.キャリアビジョンを提示し、外国人だからといって昇進・待遇面等の差別がないことを採用段階から明確に伝える。

2.採用した場合、外国人としての特性(多言語・多文化理解力等)を企業としてどのように活用するつもりなのか、また、彼らにどのようなことを期待しているのかを明確に伝える。

3.会社の方向性・将来ビジョンを提示し、その中における外国人社員の役割・位置付けを明確に説明する。

 

どこの国でもそうであるが、入国管理局は自国民でも出来る仕事をする外国人の就業は許可しない。従って、日本企業が外国人を採用する上では、建前上、日本人ではなく、その外国人だからこそ出来る仕事に従事させなくてはならない。

そういう意味においては、国が打ち出している外国人雇用政策と、日本で職業的スキルとキャリアを築きたいと考えている外国人の志向は、同じベクトルにあると言えよう。

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