グローバルキャリア塾 連載コラム

国際派アスリートたち (第5回)

第5回:欧州で日本のレベルを知った大嶋和也選手

スポーツコラムニスト/マーケティングジャーナリスト

竹内 博信

大学卒業後、外資系メーカー、市場調査会社などに勤務。主にマーケティング業務に従事する。その傍らでオブザーバーとして数々のスポーツを取材、アスリートとの親交を深める。彼らの半生を描いたノンフィクション小説を上梓予定。趣味は旅行、観劇、映画鑑賞他多数。

ex-sports

(2010年9月1日掲載)

こんにちは。竹内博信です。
暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。

 

今回は1987年生まれで現在23歳の大嶋和也選手を紹介します。

大嶋和也選手

大嶋選手は全日本ラリー選手権のドライバーだった父親の影響もあり、8歳の時にカートを始めました。その時の走行速度は歩いている人のそれよりも遅かったほどでお父様は「息子が同じ道を歩むことはないな」と感じたそうです。

 

しかし一ヵ月後には大人と同じくらいのスピードで走行、カートレースデビュー後は国内でも屈指の速さをみせていきます。

大嶋和也選手

ライバルは小林可夢偉選手。今シーズン、ザウバーチームからF1に参戦、活躍している彼と選手権を戦いました。

大嶋選手は2007年に全日本F3選手権のシリーズチャンピオンに輝き、2008年にはドイツに渡り、ユーロF3シリーズへフル参戦します。そして第8戦カタロニアレース2では初優勝を飾りました。大嶋選手の走りをチームが認めました。

 

大嶋和也選手

ドイツ滞在時の印象を

「ドイツのケルンに滞在していて自分でクルマを運転していました。ヴィッツという小型車に乗っていたのですが、アウトバーンで時速200kmくらいで走っていたと思います。アウディとかドイツ車と同じペースで走って楽しかったですよ。食事は何でも食べるので大丈夫でした。お酒は海外に居た時は飲みませんでした。」

とお話ししてくれた大嶋選手。現地で戦った貴重な経験が今季、実を結びました。

ドイツで毎年、開催されている伝統的な耐久レース:ニュルブルクリンク24時間レースに出場、レクサスLFAを駆り、見事にチームをクラス優勝に導いたのです。

 

今季はフォーミュラ・ニッポンとSUPER GT 500クラスにトヨタのドライバーとして参戦している大嶋和也選手に8月上旬にお話を伺う機会がありました。昨年、髪の毛を緑色にした大嶋選手、私の第一印象はヤンチャな青年でした。

しかし改めて話しを伺い、芯を持ったアスリートであることが分かりました。

 

大嶋和也選手

「僕、自分が出場していないレースは全く興味が無くてTVも観ていないです。F1も観ていません。」

衝撃的な一言から対談は始まりました。

昨年、F1からトヨタが撤退したことは記憶に新しいですが、モータースポーツの頂点であるF1にトヨタのドライバーは誰もが憧れを抱いていると私は考えていました。

 

大嶋選手はその理由について

「海外のレースに出場して分かったことは、日本のレースの方が技術的なレベルが高いのです。外国人ドライバーが日本に来てすぐに勝てるほど甘いものではないです。僕はまずこのカテゴリーでチャンピオンになりたいです。」

と語ってくれました。

大嶋和也選手

確かにフォーミュラ・ニッポンやSUPER GTといった国内レースで来日一年目にタイトルを獲得した例はほとんど無く、嘗てF1でワールドチャンピオンに輝いたジャック・ビルニューブも1992年に来日、全日本F3選手権に出場した際もシリーズ2位という成績でした。日本のレースはトヨタ・ホンダ・日産といった自動車メーカーだけでなく、ブリヂストン・ヨコハマ・ダンロップなどタイヤメーカーも複数が参戦しています。競争のレベルは欧州に劣らず高いことは間違いありません。

 

23歳ながら豊富な国際経験と国内で充実した成績を残している大嶋選手。
これまでのレースキャリアは一年目はそのカテゴリーを習得することに集中、二年目から成績を残していく、という流れが続いています。そしてフォーミュラ・ニッポンとSUPER GTいずれも二年目の大嶋選手は非常に充実したシーズンを送っています。

大嶋和也選手

フォーミュラ・ニッポン:第3戦と第4戦で連続入賞。昨年獲得した13ポイントを今季は早くも上回る勢いです。

SUPER GT:第3戦でチームメイトの石浦宏明選手とのコンビで今季初優勝。第6戦を終えてランキング7位ながらも年間タイトルが狙える位置にいます。

 

大嶋和也選手

若くして海外に滞在、レースを経験したドライバーは”自分が何のためにレースをするのか"確固たる目的を持ってレースに取り組んでいます。そして現地での食事やレース中のコックピットの環境が整っていない状況でも安定したパフォーマンスを発揮するドライバーが多いとレースを見て私は感じます。

 

今回ご紹介した大嶋選手と前回ご紹介した山本尚貴選手はトヨタとホンダを代表する若きドライバーでありライバルです。
彼らがシーズン終盤に向けて熱く激しいバトルを繰り広げ我々を熱狂させてくれることでしょう。

大嶋選手の紹介は以上になります。
次回、ご紹介するアスリートは現在、調整中です。更新を楽しみにお待ち下さい。

<写真提供:ex-sports.jp>

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