グローバルキャリア塾 連載コラム

国際派アスリートたち (第7回)

第7回:海外での活躍がキャリアを支えている平中克幸選手

スポーツコラムニスト/マーケティングジャーナリスト

竹内 博信

大学卒業後、外資系メーカー、市場調査会社などに勤務。主にマーケティング業務に従事する。その傍らでオブザーバーとして数々のスポーツを取材、アスリートとの親交を深める。彼らの半生を描いたノンフィクション小説を上梓予定。趣味は旅行、観劇、映画鑑賞他多数。

ex-sports

(2010年11月15日掲載)

今回はKCMGという本社が香港にある会社のレースチームを率いていらっしゃる土居隆二監督とドライバーの平中克幸選手にお話を聞くことが出来ました。

平中克幸選手

まずはヨーロッパ・マカオでのレース参戦経験を持つ、平中選手にお話しを伺いました。

「まず、2002年に全日本F3にトムスチームのドライバーとして参戦していた時に欧州で開催されたマールボロ・マスターズ(オランダ)へ土居隆二監督と参戦したのが海外初めてのレースでした。

翌年の2003年はヨーロッパF3に参戦しました。現地に行くまで英語を勉強していたんですが、最初は全く会話が出来ませんでした。
それでも少しずつ会話が出来るようになり、ドライビングスキルだけでなく、異国の文化に触れることが出来た貴重な機会になりました。」

平中克幸選手

2003年は欧州でシリーズ22位と苦戦した平中選手でしたが、秋に行われたマカオGPでは見事に決勝で3位を獲得しました。

今年はフォーミュラ・ニッポンとSUPER GT という国内最高峰のカテゴリに参戦中の平中選手ですが、海外レースへの憧れは強く、「今もチャンスさえあれば海外のレースに参戦したいです。

特にアメリカのIRLに出場してみたいですね。以前、フォーミュラ・トヨタに参戦していた時も栃木県:ツインリンクもてぎのオーバルコースで走った時の印象が強烈でした。そして実際にアメリカに関谷監督、片岡選手と視察に行った時にはインディレーサーのロジャー安川選手にお世話になりました。今でもIRL(アメリカを中心に開催されているインディカー)への憧れがあります。」
と語ってくれました。

平中選手は11月13日に静岡県:富士スピードウェイで行われたJAF GRAND PRIX FUJI SPRINT CUP SUPER GT 300クラスにおいて見事に優勝、サーキットの観客から大きな声援を受けました。

はにかみながらスタンドの観客からの声援に応える平中選手。こういったシーンを海外サーキットでもみたいと思うのは私だけではないでしょう。

平中克幸選手

平中克幸選手

平中選手に続いて、チームを率いる土居隆二監督にお話しを伺うことが出来ました。

「1987年にトムスチームのスタッフとしてレース活動を開始しました。元々、私は英語が話せなかったのですが、リカルド・ライデルというドライバーの通訳を何とかこなしながら、語学やクルマに関する知識を自然に学んでいきました。レースに携わるまでは海外に行ったことも無かったんですよ。」
と語る土居隆二監督は毎年、秋に開催されるマカオGPにも足を運びます。
今年で24回目になるとのことで、現地にも若いドライバーを連れていきます。

「マカオGPにはタイやフィリピンのドライバーが多数出場します。世界の、アジアの舞台というものを日本人のドライバーに直接、見て感じて欲しいと思っています。」

若手の育成にも余念が無い土居隆二監督。将来の目標を聞かせてくれました。

「日本のモータースポーツを広める、ではなくて"アジアの中にモータースポーツ文化を創る"、これがしたいのです。具体的にはヨーロッパが作ったものではなくて、アジアのシンガポール、中国、韓国、マレーシア、そして日本が歩み寄って一つのカテゴリーを開催していければいいですね。」

シンガポール政府からシンガポール:チャンギ空港近くに建設されるサーキットの運営役員として日本人で唯一任命された土居隆二監督。

海外生活も語学留学の経験も無く始めたレースチームにおいて外国人ドライバーとの仕事からキャリアをスタート、様々な経験を通じ、「レースがいろいろなものを僕に与えてくれた」と感謝しています。

土居隆二監督がサポートした最初のレーサー:ライデルは日本のF3で活躍しただけでなく、マカオGPでも優勝しました。土居隆二監督が育てたドライバーは世界各地で活躍しています。

「アジアにモータースポーツ文化を植えつけたい」と語る土居隆二監督。実現出来る数少ない日本人としてアジアを飛び回り、ご活躍されています。将来の夢を語るその瞳は日本国内の枠には収まらない、土居隆二監督の瞳はそれくらい輝いていました。

平中克幸選手

次回はマカオGPに出場するF3ドライバー:関口雄飛選手を紹介します。

<写真提供:Takuya Hiranaka, ex-sports.jp>

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