ここから始まった~NGOスタッフへの道 (第1回)
第1回:「ウンネブラ!」の心意気
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
リレーコラム
石川 朋子
■特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC):
カンボジアやラオスでは、生活の安定を目指す地域開発活動を、パレスチナやイラクでは、医療や食料を届ける人道支援活動を実施。現場と日本をつなぐ、政策提言、調査研究も重要な活動の柱です。「問題の根本に取り組む」これがJVCのポリシーです。
【活動地】カンボジア、ラオス、ベトナム、タイ、コリア、アフガニスタン、パレスチナ、イラク、スーダン、南アフリカ
■石川朋子:
ボランティアとしてエチオピアに2年滞在。自分の「当たり前」が通用しない社会で暮らすおもしろさを体験。コンサート事業担当。
(2009年9月1日掲載)
JVCのボランティアになって5年目くらいに、「自分の目で現場を見たい」と思いました。現場とは、エチオピア。当初、1ヶ月ほどの予定で日本を出発した私ですが、帰国は1年後。その後もまた、エチオピアに戻り、半年、ボランティアとして、半年、短期派遣スタッフとしてJVCエチオピア事務所で活動しました。
滞在も3ヶ月を超え、お世話になっていた日本人の現地代表の家を出て一人暮らしを始めたときに、「言葉がしゃべれないとさみしいなぁ」と、実感しました。
そもそもスタディツアーくらいの心構えで、おまけに事務所では英語、家では日本語という生活をしていたので、挨拶以外のアムハラ語(エチオピアの公用語)を話すことができませんでした。
そこで私は、週末に、事務所近くの子どもの家に行くようにしました。手にはペンとメモ帳。自分にかけられる言葉をカタカナで書き取り、会話帳を調べたり、事務所で、エチオピア人のスタッフに意味を教えてもらいます。はじめのころのメモには「どこから来たの?」「名前は何?」「熱いから気をつけて」など、基礎的な会話が書かれていて、「そうかぁこんなことまで書き取って聞いてたんだぁ」と、懐かしくなりました。 この子どもたち、その家族との交流のおかげで、少しずつ会話ができるようになり、エチオピアのことを知るようになりました。
私にはとても好きなアムハラ語があります。その一つが「ウンネブラ」です。
この意味は「一緒に食べましょう、さぁどうぞ」で、食事を前にして、人を誘う言葉です。使い方としては、食べているときに、人が来ると「ウンネブラ」、と、食事に誘います。また、レストランで、自分に先に食べ物がくると「ウンネブラ」と、隣の人に声をかけます。もちろん、そう誘われても「では、お言葉に甘えて・・」とはせずに、「(私のも)もうすぐ来ますから、ありがとう」と、返事をするのが礼儀ですが。
エチオピアには「一人で食べるものは一人で死ぬ」という諺もあり、独り占めすることを良しとしません。私は、この「分かち合い」の精神に、感動して涙したことも幾度もあります。家に夕食用のパンが一つしかなくても、分かち合ってくれます。逆に、私は、貴重ないただきものの羊羹を、ちゃんと分け合えなくて(全部出すと食べられると思って、一部保存・・等)、反省することも一度や二度ではありませんでした。
言葉を知って、文化を知る、その国の人を知る、自分を知る。これこそが、日本を離れる醍醐味。たくさん涙し、笑い、怒り、楽しみ、エチオピアは私という人間の幅を広げてくれました。また、この滞在中に広がったエチオピア人、日本人との付き合いは、8年経過した今でも、私の生活を豊かにしてくれています。
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