グローバルキャリア塾 連載コラム

Dr. Kの環境と化学 -豪州大学教育の現場から- (第1回)

第1回:オーストラリア、メルボルンでの生活

モナッシュ大学 化学科 グリーンケミストリー研究所
レクチュラー(准教授)

齋藤 敬 (さいとう けい)

1976年生まれ。早稲田大学 理工学研究科 応用化学専攻 博士課程修了 (工学博士)。日本で博士取得後、アメリカ、マサチューセッツ州で新しい学問であるグリーンケミストリー(環境に優しい化学)を創始者のもとで学び、2007年8月から現職。

モナッシュ大学

(2009年7月15日掲載)

環境に優しい化学に魅せられ、遠いオーストラリアの地に来てしまいました。

当方日本の大学院卒業後、アメリカの地で修行し、今現在オーストラリア、メルボルンにあるモナッシュ大学で先生をしています。専門は「環境に優しい化学」「汚染防止につながる新しい化学」等と言い換えられるグリーンケミストリー。このグリーンケミストリーについては、追々これからの連載でお話する予定です。

メルボルンはオーストラリア大陸の南東に位置するオーストラリア第二の都市です。四季のある非常に住みやすい街で、2002年と2004年の二度、エコノミスト誌の「世界で最も暮らしやすい都市」1位に選ばれています。また、マルチカルチャーが融合した多民族都市で多様な人種が暮らし、各国の味が楽しめる非常に料理の美味しい街でもあります。そのメルボルンに位置するオーストラリア最大規模の大学、モナッシュ大学で現在私は教鞭をとっております。


日本にいると、世界各国の教育レベルという物について深く考える機会はそうありませんが、実はオーストラリアは教育大国であり、近年世界的にもその教育レベルの高さが注目されてきています。THES大学世界ランキング100位以内にオーストラリアの大学が8校選ばれており、日本からは4校という現状をみても、世界的な注目度がお分かり頂けるかと思います。

モナッシュ大学はオーストラリアトップ8大学の一つであり、世界ランキング現在47位(2008年THES)のオーストラリアを代表する総合大学です。世界では学歴ではなく、どの学位を取得したかが重要で、世界ランキングなど一つの指標にしか過ぎませんが、日本の有名校がランキング100何位なのを知ると、もっと日本の大学もグローバル化を含め頑張って頂きたいと思ってしまいます。

オーストラリア教育の一番の特徴は、お堅い英国式の文化と新しい奔放なオーストラリア文化の融合にあると感じています。アメリカでは上下関係のない、一緒にビールをフランクに飲む関係、社会性を求められた気がしますが、こちらはさらに英国式も加わり、キチンとしたスーツを着たプロフェッサーと、共に優雅にお茶を飲む事も求められます。

海外での教育生活は、英語での授業や研究室運営等それなりに苦労も多く忙しい毎日ではありますが、余暇にはメルボルンに来て始めたタッチラグビー(タックルの変わりにタッチをするラグビー)等も楽しみ、公私共に充実した生活をおくっています。

自然に溢れたオーストラリアの大地で、人生を楽しみながら、環境、地球の未来のために一歩一歩進んでいければと考えています。

次回からは、日豪の教育システムの違い、環境と化学について等、紹介していければと思います。

メルボルン

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