異文化体験おもしろ話 (第2回)
第2回:若者らしくオープンに、そして一所懸命に!
株式会社ナバ
代表取締役
高田 容冶(たかだ よしはる)
東京都出身。米国カリフォルニア州ウッドバリー大学を中退して21歳で起業。以来、3件のベンチャー企業を設立。現在(株)ナバ代表。約25年間最先端の精密計測システムの開発を通じて日本の工業製品の品質管理に注力した後、1993年に日本でインターネットの商用サービスが始まったのを受け、情報の品質管理に移行。IT活用などを通じて世界の中小企業や職人の市場開発、国際化支援活動を展開中。
(2009年5月1日掲載)
私がロサンジェルスで学生生活を始めたのはもう37年も前のことですが、その時の体験は何にも代え難い財産です。
留学直前に高校の恩師でフランス人宣教師のアルベール・ヘグリ先生がくれた「カリフォルニアにいても、いつでも一番良い人間であれ!」というメッセージを毎朝自分に言い聞かせました。とにかく良く学び、良く遊びましたが、様々な地域から来た様々な年齢や職業の人と接するのが何よりも楽しいことでした。
留学生だけ集めた英語のクラスには17歳から68歳まで実に15ヶ国からの留学生がいてまるで万博会場のようでした。勉強は長い人生の中で、学びたい時に学びたいことを学べば良いという当然のこともそういった環境で実感しました。価値観の多様性を認める能力も自然と身に付いたと思います。
皆さんに伝えたいことは「人は人から学ぶ」という事実です。好奇心を友達として、とにかく笑顔でオープンに接していけば多少英語力が足りなくても関係ない。どこに行くにも必ず辞書は携帯していました。分からない単語が出てくるとその場で辞書を引いてみる。分からない時に分かった振りをするのではなく「wait!」と一言発して辞書を引けば、その行為自体がコミュニケーションを生んでくれます。自己中心的で自分の世界に閉じこもってしまったら何も生まれない。
今のようにテレビゲームなど無い時代でしたがもしあったとしても絶対にやらなかったと思います。一人でいるときは勉強している時だけ。あとはとにかく人に会って話をしていました。当時私と会って、折りヅルの折り方や味噌汁やチラシ寿司の作り方を覚えた外国人は百人以上いると思いますよ(笑)。
ロサンジェルスでの生活を始めて1年ちょっと経ったとき、父親の関係の会社の部長から仕事でボストンに行くので費用と日当は出すから通訳を手伝ってくれないかという話がありまだロクな英語も話せないくせに、辞書持っていけばなんとかなるだろうという無茶な判断で即座に受けました。その時の1週間が後の私の生き方を変えるきっかけになるのですが、それは後で分かること。とにかく、恐れ知らずの若者特権が功を奏したようで、現地の取引先の社長一家とすっかり仲良くなり、結果として仕事も成功したと聞いて自信になりました。
写真は、その時の取引先の社長の二人の子供に気に入られて遊園地を引っ張り回されたときの一枚です。
この1年後に今度は英国で3ヶ月貴重な体験をすることになるのですが、その話は次回に。
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