異文化体験おもしろ話 (第6回)
第6回:日本人である前に地球人であれ!
株式会社ナバ
代表取締役
高田 容冶(たかだ よしはる)
東京都出身。米国カリフォルニア州ウッドバリー大学を中退して21歳で起業。以来、3件のベンチャー企業を設立。現在(株)ナバ代表。約25年間最先端の精密計測システムの開発を通じて日本の工業製品の品質管理に注力した後、1993年に日本でインターネットの商用サービスが始まったのを受け、情報の品質管理に移行。IT活用などを通じて世界の中小企業や職人の市場開発、国際化支援活動を展開中。
(2009年10月15日掲載)
もし皆さんが国内で日本人の誰かに「どちらのご出身ですか?」と聞かれたら、例えば「東京です」と答えるでしょう。同じ質問を海外で外国の人に聞かれたら「日本です」と答えるでしょう。こんなことは実際には起きないでしょうが、宇宙船で旅をしていて異星人と出会い「お前はどこの生物だ?」と聞かれたら「地球人です」と答えるでしょう。
私は、誰でもまずこの「地球人である」ということを前提に物事を考えるべきだし、それが全てに優先しなければならないと周囲の人によく言っています。
実はこのことこそが私がアメリカの大学で、そしてその後の各国とのビジネスを通じて気づき、学んだ最も重要なことなのです。今思うと、アメリカの大学留学は私の人生の起承転結の「起」で、自らが起業を決意したのが「承」、そしてそれから約30年間「転」を繰り返し、現在「結」の段階に入っています。この「結」の時期に世界中の仲間と一緒に仕事ができることは本当に恵まれていると感謝しています。
この連載コラムは今回で終了することにしました。私の体験はあくまで私の体験でしかありません。私の体験話は皆さんの参考にはなるでしょうが、皆さんにとってもっと大切なことは皆さん一人一人が自分独自の体験を積み重ねていくことでしょうし、できることなら日本の国内ではなくもっと広い世界に飛び込んでその体験を積み重ねていってもらいたいと思います。そのメッセージを送ることが、私ができる全てだと思います。
世界は広く、そしてせまい。地球は球体ですからみんな繋がっている。政治も経済も気象も全て繋がっている。そしてそこに暮らす人類(=地球人)は共通の喜怒哀楽を備えた生物だということを改めて自覚していただきたいと思います。洋の東西や国の違いを問わず、人は誰でも共通の喜怒哀楽の感情を備えている。だからこそ、利害を基本にした生き方をしたら摩擦が生じ、争いが起きるのは当然です。それを回避するには心の濁りをとるしかない。利害という言葉から濁り(=濁点)を取ってみてください。理解という言葉に変わります。
決して簡単なことではありませんが、最後までお互いの理解を求めあう生き方を続けることしか限られた地球という環境下で人類が生き延びていく方法はありません。
昔、日本が高度経済成長を続けていたとき日本人はエコノミックアニマルと呼ばれた時期がありました。今はどうでしょうか。最も多くのエコノミックアニマルが闊歩しているのはもしかするとアメリカ合衆国かも知れないですね。マネーゲーマーという名前に変わったエコノミックアニマルです。
皆さんがこれから長い人生を生きる上で、一つお願いしたいことがあります。それはビジネスで当り前のように使われるようになった「戦略」という言葉をどんなときも絶対に使わないでほしいということです。ビジネスは戦争ではありません。「戦略」などと言わずに「計画」と言えば済むことでしょう。一方で、共生の時代、ネットワークの時代だと言いながら、同じ人間が一方では「戦略」という言葉を当然のように使う。私に言わせれば二重人格者です。
どうか、世界のどこにいても、どの国の人と縁ができても「この人と出会ってよかった」と相手が思ってくれるような振る舞い、意識、そして行動を心掛けてください。
それでは皆さん、同じ地球人として平和な地球の実現の為にお互い努力していきましょう。
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