グローバルキャリア塾 連載コラム

異文化体験おもしろ話 (第3回)

第3回:英語はこわくない

株式会社ナバ
代表取締役

高田 容冶(たかだ よしはる)

東京都出身。米国カリフォルニア州ウッドバリー大学を中退して21歳で起業。以来、3件のベンチャー企業を設立。現在(株)ナバ代表。約25年間最先端の精密計測システムの開発を通じて日本の工業製品の品質管理に注力した後、1993年に日本でインターネットの商用サービスが始まったのを受け、情報の品質管理に移行。IT活用などを通じて世界の中小企業や職人の市場開発、国際化支援活動を展開中。

株式会社ナバ

(2009年6月1日掲載)

今回は英国での体験をお話しようと思ったのですが、それは次回にして、英語についてちょっと私の考えをお伝えしようと思います。というのは、昨日ある異業種交流会の席である会社の社長が、「いやあ、英語が苦手で、毎日CNNニュースを聞いてオウム返しに練習してるんだけどさっぱりダメで。」と悩んでいたからです。

中学高校の受験英語が英会話にはほとんど何の役にも立たないことは皆さんご存知の通りです。理由は簡単。英会話は勉強ではないからです。英語のセンテンスは細かく見ても900種類くらいでしょうか。その中で、実際に日常的に使うセンテンスは100種類くらいでしょう。一日5つ覚えたとしても3週間で足ります。あとは単語をいくつ知ってるかということですが、知っていても、肝心なときにその単語が出てこなければ何の役にも立たない。つまり記憶にちゃんとインプットされているかが重要です。大切なことは、記憶のメカニズムを知ることです。例えば仕事またはプライベートで誰かに会ったとします。その相手の名前を紙に10回書いて覚えるなんてことは誰もしないでしょう?もし記憶しにくい、例えば電話番号のような情報だとしても、相手が絶世の美女で口頭で電話番号を聞き出したがあいにくメモがない!となったら必死に記憶しようとするし記憶できるはずです。

「心そこにあらずんば見れども見えず、聞けども聞こえず」 という格言があります。つまり、意識を集中していれば記憶力が働く。一所懸命何回も紙に書いても意識がなければダメということです。実は高田式英会話上達法というのをあみだして、実際に効果をあげているのですが私の生徒になった人には(別に仕事でやっているわけではありません。趣味でたまに教えてあげる程度です)まず紙と鉛筆をもたせて街中を一周させ、目にとまったカタカナ(店の看板でも何でもいいです)をメモしてくるようにいいます。カタカナは日本語ですから皆さん意味は知っている。しかもカタカナの大半は英語。でも英語だと認識していないことが多い。皆さんが日常的に使っているカタカナをちゃんと英語として認識すれば実は日常会話の大半はOKなんです。

例を言いましょう。「結ぶ」「吊るす」「(水)をまく」この3つの日本語を英語で言ってみてください。すぐに答えられない人が結構多いんです。知っているのにです。
「え~っ!知らないですよ!」ですって?

それでは、背広を着ている男性が首に結んでいるのは何ですか?ネクタイでしょう?ネック(首)をタイ(結ぶ)ものだからネクタイなんでしょ?
家に帰って洋服を吊るすものは何ですか?ハンガーでしょう?ハングするものだからハンガーでしょう?だったら吊るすはハングでしょ?
公園などで自動的に水をまいているものは?スプリンクラーでしょ?だったら「まく」はスプリンクルでしょう?

こう言うと、みんな「あ、そうか!」と気づくのですが、この「あ、そうか!」が何よりも大切なんです。その瞬間にこの3つの言葉は皆さんの記憶中枢の深いところに入力され、二度と忘れることなく、必要なときにはすぐに出てくるようになります。

留学を考えている皆さん、やってみてください。楽しく英語が身につきますよ。

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