世界に羽ばたく日本人と、日本でがんばる外国人を応援するコラム (第2回)
第2回:誰からも愛される看護師になりたい~国家試験に合格した、フェルナンデスさん
多文化情報誌「イミグランツ」ライター
ルポライター/在日外国人研究家
和田 秀子
出版社、コンテンツ制作会社勤務を経て、2004年に独立。著名人や起業家インタビューなど幅広く手がけるほか、ライフワークとして日本に住む外国人や、世界で活躍する日本人らの取材・執筆を手がけている。原稿・原稿作成代行サービス Cool Dog Press 代表。
ブログ「hideinu日記」:
http://ameblo.jp/hideinu-nikki
取材・原稿作成代行サービス「Cool Dog Press」:
http://cooldogpress.main.jp/
(2010年5月1日掲載)
他国で「学ぼう」「働こう」とする人の底知れぬ“エネルギー”に魅力を感じています。
このコラムでは、日本でがんばっている外国人や、世界に羽ばたこうとする日本人たちをご紹介していきたいと思います。
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誰からも愛される看護師になりたい ~国家試験に合格した、フェルナンデスさん~
「肩の荷が下りました……」
そんな言葉で喜びを表してくれたのは、インドネシア人看護師候補生のフェルナンデスさん(26歳)だ。
彼は、母国インドネシアで4年間看護師として勤めた後、日本とインドネシアが結んだEPA(経済連携協定)により、2008年8月に来日。半年間の日本語研修を終えてから、新潟県三条市の三之町病院で看護助手を務めながら、国家試験合格に向けて勉強を重ねてきた。
今回、看護師の国家試験を受けた外国人看護師候補生は、全部で254人。合格者はフェルナンデスさんを含めたった3人、という狭き門だ。
候補生たちの多くが日本語能力ゼロの状態で来日し、3年以内に合格しなければ帰国を余儀なくされるという過酷な条件のため、期間内での合格は不可能に近いとさえ言われている。
あまりの難関ゆえに、早々に合格をあきらめてしまう候補生も出始めているなか、彼はなぜ“国家試験合格”に向けてのモチベーションを保ち続けられたのだろうか――。
「勉強がイヤになることは何度もありましたよ。(笑)でも、絶対に帰りたくなかったんだ。日本で働くことは僕の夢だったから、一日も早く国家試験に合格して、看護師として日本で働き続けたかった」
母国インドネシアよりも、“看護師”という職業が尊敬され、必要とされているこの日本で、彼は自分の力を発揮したかったのだと言う。
合格を勝ち取るために、彼は 国家試験合格に向けての“戦略”を立てた。
「国家試験の過去問題を徹底的にチェックして、漢字の意味を調べ、覚えるまで繰り返し問題を解きました。日常会話に関しては、とにかく病院のスタッフや患者さんたちと会話することで学びました。分からない言葉が出てきたら、すぐにメモして後で調べるんです」
彼は昨年も国家試験を受けているが、そのときは問題すら読めず惨敗だった。しかし、決してあきらめず地道に勉強を続けたことで、見事にリベンジを果たしたのだ。
フェルナンデスさんは5月に、2週間の休暇をもらって、約2年ぶりにインドネシアに戻る予定だと言う。
「よくがんばったね。支えてくれた周りの人へ、感謝の気持ちを忘れないように――」
彼から合格の報告を受けたと き、そんな言葉をかけてくれた母も、彼の一時帰国を心待ちにしていると言う。
「合格できたのは周りの方がサポートしてくれたおかげ。これからはこの日本で、誰からも愛される看護師になりたいです」
と、フェルナンデスさんは新たな夢を語る。
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