世界に羽ばたく日本人と、日本でがんばる外国人を応援するコラム (第3回)
第3回:海外に活路を見いだす若者たち ~カンボジアに就職した、吉川舞さん その1~
多文化情報誌「イミグランツ」ライター
ルポライター/在日外国人研究家
和田 秀子
出版社、コンテンツ制作会社勤務を経て、2004年に独立。著名人や起業家インタビューなど幅広く手がけるほか、ライフワークとして日本に住む外国人や、世界で活躍する日本人らの取材・執筆を手がけている。原稿・原稿作成代行サービス Cool Dog Press 代表。
ブログ「hideinu日記」:
http://ameblo.jp/hideinu-nikki
取材・原稿作成代行サービス「Cool Dog Press」:
http://cooldogpress.main.jp/
(2010年6月1日掲載)
他国で「学ぼう」「働こう」とする人の底知れぬ“エネルギー”に魅力を感じています。
このコラムでは、日本でがんばっている外国人や、世界に羽ばたこうとする日本人たちをご紹介していきたいと思います。
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海外に活路を見いだす若者たち ~カンボジアに就職した、吉川舞さん その1~
■その1■ カンボジアの熱気に魅せられて
「まるで見えない糸にたぐり寄せられるように、気づけばカンボジアの虜になっていました」
と語るのは、カンボジアのNGO組織『JST』で働く吉川舞(よしかわ まい)さん(25歳)だ。
JSTは、カンボジアの遺跡修復や保全を核として、学校建設や産業支援、さらには体験ツアーを実施して日本との交流を深めるなど、さまざまな活動を行っている。
吉川さんは2008年に早稲田大学を卒業。その後すぐに単身でカンボジアに渡り、JSTのスタッフとして広報担当および体験ツアーの企画・運営に携わっている。
「もともと東南アジアにはまったく興味がなかったんです。それよりも、歴史的建造物が多いヨーロッパが好きでした」
そう話す吉川さんは、子どものころから遺跡に興味があり、大学に入学した当初はアルバイトで貯めたお金で、ヨーロッパの世界遺産をめぐっていたと言う。当時の夢は、「ユネスコで働く」ことだった。
「たしかにヨーロッパの遺跡は素晴らしかった。でも、東洋人の自分にできることは、ここにはないのかも、って思うようになって……」
成熟しきったヨーロッパの文化や遺跡を見れば見るほど、吉川さんは違和感を募らせていった。
カンボジアと出会ったのは、そんなとき。アンコール・ワット遺跡に惹かれてカンボジアのスタディーツアーに応募したところ、幸運にも抽選に当たり、参加できることになったのだ。
吉川さんにとって、生まれて初めての東南アジア――。
プノンペン国際空港から市内に向かう車の中で、すでに吉川さんは、体中に衝撃が走るほどのカルチャーショックを受けていた。
「たしかに貧しい国なんです。街のあちこちに壊れかけたビルが建っていたり、荷台に何十人もの人を乗せたオンボロトラックが走っていたり……。でも、とにかく街や人に勢いがある。まるで上昇気流が立ち上っているように見えました」
内戦の悲惨なイメージを抱いていた吉川さんにとって、カンボジアが持つ活力は想像を超えていた。
さらに、調査のために訪れたサンボー・プレイ・クック遺跡周辺の農村で、吉川さんは完全にカンボジアの魅力にとりつかれてしまう。
(2に続く……)
JSTは、カンボジアの文化遺産と、農村地域のこれからを応援するNGOです。
http://www.jst-cambodia.net/index.php
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