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グローバルキャリア塾 連載コラム

クロアチアからこんにちわ (第4回)

第4回:クロアチア人についての一考察

ザグレブ経済経営大学
Zagreb School of Economics and Management

純子 スボタ

国際基督教大学国際関係学科卒。1995年より9年間シャープ株式会社に勤務。 海外代理店営業、OEM営業、及び渉外部勤務を経て、2003年より駐クロアチア日本大使私設アシスタントとしてザグレブに滞在。 生け花、茶の湯、着付け、寿司ワークショップ等日本文化関連行事の運営に携わり、クロアチアにおける日本文化理解の向上に尽力。 任期満了後、2007年から1年間、在パリのシャープ・エレクトロニクス・フランスに勤務。クロアチア人と結婚後、2008年2月よりザグレブ経済経営大学に勤務、 同大学のインターナショナルオフィスおよび日本センターの運営に携わる。2010年同大学MBA課程終了。3児の母。
■ ザグレブ経済経営大学 HP: http://www.zsem.hr/

ザグレブ経済経営大学

(2014年1月15日掲載)

既に書いた通り、クロアチア滞在が10年の大台に乗った。この10年間、クロアチア人の色々な側面に接してきた。「クロアチア人は~~という国民性だ」と総括するのは乱暴過ぎるが、こんな面があると紹介することは問題ないと思う。あくまでも私の個人的な見解に過ぎないことは断わっておきたいが、クロアチア人を観察する際の切り口になるかもしれない。

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先ず、クロアチア人は見られたがりである。見られたがりの気質はカフェでお茶をする様子に見られる。クロアチアのカフェはたいてい軒先にテーブルを出している。夏場はもちろん、冬でも暖かい日は私自身もどちらかと言えばタバコの煙が気にならない屋外を選ぶ。でもクロアチア人は寒い日でも屋外に席を取る。カフェ側も気の利いたもので、各テーブルに洒落た膝掛け用の毛布を用意している。さすがに頭から毛布をかぶってお茶をする人は見たことがないが、いかにも暖かそうでセンスの良い膝掛けは外に座れ座れと客を誘っているかのようだ。膝掛けのみならず、頭上や背後から暖める暖房器具を設置しているカフェも多々ある。そこまでして屋外でお茶したい?と突っ込んでしまうのは私だけだろうか。

見られることを意図しているのかいないのか、バッチリ化粧にカッコいいサングラスという気合の入った装いの人々を見ると、やはり、見られたいから寒さをこらえて外に座ってるんでしょう~と言いたくなる。

 

この見られたがりの気質はすなわち「格好つけたがり」でもある。よく言われるのが、クロアチア人はパンを買うお金がなくてもいい車は買うということである。確かにザグレブの街中ではベンツやBMW、アウディなどの高級車が多く見られる。一般的に給与水準が日本の3分の一、4分の一で、車の価格も総じて日本の倍という中でどうやって遣り繰りするのか謎の一つだが、いい車が多いのは事実である。でもそんな中、やっぱり格好つけたいから車を頑張って買ったのね…と思わされる事例に出会う。

以前ガソリンスタンドに立ち寄った際、私の前で給油していたのはBMWの7シリーズだった。私の番になった時メーターを見てオヤ?と思った。たった50クーナ(1200円程度)の給油だったのだ。BMW7を乗り回す人が50クーナの給油?としばらく妙な気分になったのを覚えている。
我が家の隣人も面白い。最近新車を購入したこの隣人。既に何回かアパートの電気を止められている。新車を買う前に電気代くらい払いなさい!と小言の一つも言いたくなるが、「いい車」はステータスシンボル。無理してでも買うしかないのだろう。

また、車とは違うが、踵が磨り減った靴を履いている人もみかけたことがない。エプロンしたままツッカケでスーパーに行く人もしかり。当地では青空市場に野菜を買いに行くときも豪華な毛皮を羽織るのである。豪華な毛皮を着る人は自分で菜っ葉など買わないと思っていた私には今だに驚きだ。

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次にもう一つ、クロアチア人は謝らない。クロアチア人は本当に悪いと思った時以外には謝らないというべきか。日本人(私だけ?)が不必要に謝りすぎるとも言える。

エピソードを一つ。以前大使館で仕事をしていた際、ドライバーさんの一人が怒りと困惑が混ざった表情で相談してきたことがある。大使館の車を運転していた際、いわゆるもらい事故に遭ってしまったのだとか。早速大使館から一筆求められたそうだ。きちんと「申し訳ありません」と書かなければならないと指導もあったようだ。
このクロアチア人のドライバーさんは「自分は悪くない」から「申し訳ありません」とは書けないと説明してきた。なるほど、理屈は通る。「申し訳ないんだけど」と常に前置きしてから同僚に依頼をする私だったら何の疑問も戸惑いも抱かずサラサラと一筆をしたためてしまいそうな場面だ。

こう書きつつ、「申し訳ないんだけど」という常套文句を使うのは職場でも私だけということに改めて気づかされる。本当に申し訳ないと思って言っているのか単なる口癖なのか自問する一方、本当に悪いと思っている時にしか謝らないというのはやはりクロアチア人の動かぬ一面の一つと言えるように思う。謝るべき時にも謝らずに同僚を煙に巻く人も中にはいるが…。

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もう一点はクロアチア人のサービス精神について。クロアチアに来て以来、クロアチア社会では顧客がサービスされないでいることを不思議に思って観察してきた。電車が入るから黄色い線の内側に入れとアナウンスを受けたり、フリカケのパッケージを開ける際手を切らないようにと注意喚起されるほどの日本人だ、万事に置いて甘やかされサービスされ過ぎているのだが、サービスされないことに慣れているクロアチア人には感心させられる。

例えば郵便局。国営だからなのか、郵便局内は照明も暗く明るい雰囲気が皆無。おまけに職員には愛想というものがない。「いらっしゃいませ、こちらの窓口へどうぞ~」などという明るい言葉は一切かけてもらえない。日本宛のハガキにエアメールのシールを貼る余白を残さなかったら一喝されそうな、いかにも不機嫌そうな職員が多くみられる。

スーパーのレジにも無愛想な担当者が多い。レジ袋に詰めるのは当然お客の仕事。イチゴや卵、生理用品を別の袋になんてありえない。45度のお辞儀はもちろん、お釣りはきちんと両手でお客様の手に…も期待できない。

先日、クリスマス前の買い物でごった返すザグレブ市内の大手スーパーでのこと。日本だったら絶対文句の一つも出そうな長い列の隣で、担当が帰宅の時間が来たのかそのレジを閉めてしまった。当然そこに並んでいた客は既に長くなっているレジに回されたが、不思議なことに文句を言う客がいない。圧倒的マイノリティーの私が事を荒立てるのも憚られたが、「そんなのあり?」と私は不満で一杯だった。

 

そんな中、時々、親切に出会う。極々自然な親切に。日本の場合、やたらに愛想のいいレジ担当者を見て「それ、本心?」とからかってみたくなるが、クロアチアでは日本のような「お客様を大事に」という教育が一般的ではなく、だからこそ、作られた親切ではない心からの親切に出会った時には感動するのである。

事実、丁寧に品物を袋に詰めてくれたレジ係りに何度か遭遇したし、日本宛の小包を丁寧に包装し直してくれた郵便局の職員もいた。出産を控え大きなお腹をした私をレジ待ちの最前列に並ばせてくれたレジ係りもいた。電車やバスで人に席を譲る光景は日本では珍しくなったようだが、ザグレブでは子連れでトラムに乗ると必ずと言っていい程人に席を譲ってもらう。そういう時には本当に嬉しくなるものだ。

そういえば、長らく私の中でサービス精神皆無の権化と化していた警察の外国人担当窓口にも「皆様にお仕えするよう努めています」的な宣言が貼られていて驚いた。
クロアチアにもサービスの概念が浸透してきたのだろうか。数年後、日本同様、「それ本心?」と尋ねてみたくなる場面に遭遇するようになるのかもしれないが、クロアチア人の自然な親切に出会って味わう嬉しさはやはり変わることはないと思う。

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