グローバルキャリア塾 連載コラム

英語が楽しくなるコラム (第2回)

第2回:最強の『フレンズ』!

英語講師、通訳、翻訳

雪 めいこ

1980年大阪生まれ。フリーランスで英語講師、通訳、翻訳を手がけている。神戸大学で芸術学を専攻し、広くアートの知識を深める。卒業後、事務職として某大学に約4年半勤務し、その間に1年間アメリカで業務研修を受ける。退職後、ニューヨーク大学で国際教育の修士号を取得。その後、様々な企業や国際機関等で翻訳や通訳の仕事を経験。転職の合間にアジア、アフリカ、中東をバックパック旅行でまわり、現在は英語、国際交流、アート、食などの多様なテーマでイベントの主催も行っている。
■Facebookページ https://www.facebook.com/YukiNoEnglish

(2015年3月1日掲載)

こんにちは!雪めいこです。今回は、前回に引き続き“英語のドラマやアニメを見る”学習法のお話で、ドラマ『フレンズ』をご紹介したいと思います。

『フレンズ』DVD

アメリカで1994年から2004年にかけて10シーズン続いた大人気ドラマ。ニューヨークに暮らす6人の男女を主人公に、彼らの友情、恋愛、仕事を追って、コミカルに話が展開します。実はフレンズは、英語学習という観点からは、一番オススメのドラマなんです!アメリカ留学時代も、様々な国の留学生が「フレンズを観て英語を学んだ」と言っていましたよ。

では早速、このドラマの“良いところ”と“注意すべきところ”を英語学習の観点から説明していきましょう。

☆『フレンズ』の良いところ
1. 各キャラクターから、アメリカの文化やステレオタイプを学べる
2. 生活の様々な状況に合った英語を学べる
3. アメリカの季節の行事が学べる
4.情報が手に入りやすい

★『フレンズ』の注意すべきところ
1. 放映された時代を意識して見る必要がある
2. アメリカンドリームはそんなに甘くない

 
【解説】『フレンズ』の良いところ☆
 

1. 各キャラクターから、アメリカの文化やステレオタイプを学べる

6人の主人公の育ち、考え方、日々の行動、祝日の過ごし方などから、アメリカの様々な側面が学べます。

①レイチェル
レイチェル
レイチェルは、お金持ちで甘やかされて育ったアメリカの女の子のステレオタイプが投影されています。また、高校生の頃はチアリーダーだったり、プロムクイーン(学校で一番人気の女子)に選ばれたり、典型的な“人気者の女の子”キャラです。レイチェルを演じているジェニファー・アニストンも、“アメリカン・スィートハート”(「アメリカ人の永遠の恋人」のような意味)と呼ばれ、大人気の女優です。

②モニカ
モニカ
料理や掃除が得意で、みんなの母親的存在。しかし、滑稽なまでの負けず嫌いや潔癖症で、笑いを誘います。最初は雇われシェフでしたが、最後には有名レストランの料理長にまで上り詰めます。モニカを見ていると、自立心を持ったアメリカの女性像がわかると思います。

③フィービー
フィービー
父親は蒸発、母親も小さい頃に自殺し、かなりハードな幼少期を送ったフィービー。そのせいもあってか、進化論や重力を信じていなかったり、逮捕歴があったり、霊感が強かったり、かなりの変わり者。マッサージ師として生計を立てながら、歌手活動をしています。フィービーには、アメリカに存在する様々な複雑な家庭環境が反映されています。幼少期だけでなく、カナダ人男性のグリーンカード入手に協力するため偽装結婚したり、腹違いの弟の代理母として三つ子を産んだり、アメリカならではの複雑な問題をはらんだ出来事が彼女には起こります。

①ロス
ロス
モニカの兄で、古生物学の研究者。結婚していましたが、奥さんに女性の恋人ができて離婚。その直後に子どもが出来ていることが判明して、レズビアンカップルと一緒に子どもを育てます。(私がアメリカに住んでいた時にも、これに似たようなことが実際に周りでありました。)ロスは、勉強は出来るけど運動は苦手という、典型的なGeek(ダサい、オタクっぽい人のこと)キャラ。父親がユダヤ教徒なので、12月25日はクリスマスではなくハヌカをお祝いするなど、ユダヤ教徒の習慣を垣間見ることも出来ます。

②チャンドラー
チャンドラー
情報系の大企業に勤め、どんどん出世しますが、仕事に面白みを感じておらず、嫌われ者の上司になっていくことにも嫌気がさし、広告代理店に転職。チャンドラーからは、「自分の好きなことを仕事にする」ことがいかにアメリカで尊ばれているか、ということがわかります。転職する前、チャンドラー以外はみんな自分の好きな仕事をしていて、チャンドラーはどんなにいいお給料をもらっていても、そのことに劣等感を感じていました。こういう価値観は他のドラマでも目にするので、面白いなあと思います。

③ジョーイ
ジョーイ
イタリア系アメリカ人の俳優。女性が大好きで彼女を取っ替え引っ替えしたり、食べることが好きで食べ物は絶対譲らないなどの面もありますが、心優しくみんなに愛されています。勉強が得意でなく、一般知識が足りないので、それでみんなにからかわれたりしています。イタリア系アメリカ人のステレオタイプで、女性が大好き、母親がとても強くて、姉妹が7人もいる大家族です。

この通り、主要な6人のキャラを説明しているだけでも、アメリカの様々な面がわかりますね。ここにさらに家族や友人、恋人も関わってくるのです。

 

2. 生活の様々な状況に合った英語を学べる

フレンズの大きな特徴の1つは、シットコムであるということ。シットコムとはシチュエーションコメディの略で、登場人物や場面設定が固定されているコメディードラマのこと。
確かにフレンズでは、登場人物はほぼ一定ですし、ほとんどの話が、主要メンバーが住むアパート、みんなが集うカフェ、各自の職場だけで展開します。よって、“家族や友人との、家の中での会話”“お店での、店員とのやり取り”“職場での、上司や同僚との会話”など、状況や相手に合わせてどのように言葉を変えればいいか、具体例を見ながら学ぶことができます。俳優たちの英語が、あまり癖がなく聞き取りやすい点もいいですね。
しかも、同じような状況で、同じような会話を、何シーズンにも渡って繰り返しやってくれるので、同じ単語やフレーズを繰り返し耳にすることになり、頭に残りやすいのです。

3. 季節の行事が学べる

フレンズは毎シーズン9月から翌年の5月にかけて放送されていたので、その間のアメリカの定番行事(ハロウィーン、サンクスギビングデー、クリスマス、年越し など)を毎シーズン見ることができます。
10シーズンを全部見れば、日本ではあまり馴染みのないサンクスギビングデーも、「七面鳥とパンプキンパイを食べ、メイシーズの巨大風船パレードやフットボールの試合を見て、家族で集まる日なんだな」ということが自然に頭に染み付いてきます。
しかもその都度、恋人がいたりいなかったり、結婚していたり、子どもができたり、主人公たちに様々な変化があるので、「こういう状況でこの行事を迎えると、こういうことがあるんだな」と細かく勉強できます。

 

4. 情報が手に入りやすい

これは前回も書きましたが、固有名詞や英語の言い回しで理解できないところが出てきても、フレンズなら日本にも海外にもファンがたくさんいるので、ネットで検索するだけで答えが見つかる可能性が高いです。フレンズを英語学習の教材として取り上げている日本語サイトも色々あるので、ぜひそちらも検索してみてください。

 
【解説】『フレンズ』の注意すべきところ★
 

1. 放映された時代を意識して見る必要がある

シーズン1と10

フレンズは、教材として悪い面は無いと言っていいぐらいなのですが、あえて挙げるとすれば、最初のシーズンの放映が今から20年以上も前である、という点は頭に入れておくと良いでしょう。
例えば、ジョーイがショルダーバッグをレイチェルから借りて使っていると「女みたいだ」とみんなにけなされるエピソードがありますが、今では普通に男性が使っていそうなカバンなので、逆に違和感を覚えます。
とはいえ、言葉に関しては20年という時間の開きを感じないぐらい、今でも使えるフレーズが盛り沢山なので、その点は気にせず参考にしてもらえればと思います。

2. アメリカンドリームはそんなに甘くない

これは、フレンズを嫌う人がいる理由の1つでもあると思うのですが、主人公たちが呆気なく出世しすぎなのです。みんなサボってばかりなのに、いつの間にか昇進・・。私はフレンズ大好きですが、「ちょっとバカバカしい」という批判も、しょうがないかなと思うところもあります。まぁ所詮ドラマですから、誇張もあります。アメリカの現実はこんなに甘くない!ということは覚えておきましょう。

 

いかがでしたか?個人的には、日常会話を学ぶ英語学習教材として、フレンズは最強だと思っているので、ぜひ一度見てみてもらえたらと思います!

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